1.質疑応答
それでは最初の質問。Levelが最大値に達すれば、進化出来るのか?
【はい。Levelが最大値に達すれば、現在の種族から進化可能な種族に進化出来ます】
進化可能な種族とは、どんな規準?
【進化可能な種族は、通常は進化の系統樹に従います。ただし、特定の称号や条件を満たしている場合、別の進化の系統樹に移ることも出来ます】
進化の系統樹。それはどんなものなんだ?
【進化の系統樹は、その種族が歩んできた歴史の形。数多くの者達が歩き、踏み固めてきた道です】
・・・種族の歴史の形であり、道。
なんか壮大な印象を受けるな。
次の質問だ。
SPの入手方法は、LevelUp時と自分よりもLevelが高い相手を倒した時らしいが、どちらの方がより多くSPを獲得出来る?
【それは場合によります】
場合による?
【通常LevelUp時に獲得出来るSPは、1から始まります。そして、累計Levelに比例して一度に獲得出来るSPがだんだん増えていきます。逆に、敵を倒した場合の獲得SPは、相手のLevelと自分のLevel差。互いの能力。互いの種族で変動します】
つまりはケースバイケースということか。
安全性ならLevelUp。
ギャンブル性なら敵。
そして、ゲームみたいにボーナスモンスターでも見つけられないと、後者のリスクは釣り合わないってわけだ。
じゃあ次に、どうやってSPを魔法とかにするんだ?
【特殊能力。[ゲームプレイヤー]のSP交換で交換が可能です】
ゲームプレイヤーか。これが複数の効果の一つなのか?
【そうです】
ふむ。ここで質問を重ねても良いが、それは後に回しておこう。何事も順番に消化しないと、途中でわけがわからなくなる。
次の質問だ。魔力の一度に扱えるMP量が増えるというのは、どういう意味だ?
【魔力の高さによって、一度に動かせるMPが決まります。魔力があまりにも低いと、最低限のMPが消費出来ず、魔法や通常スキルが発動出来ない場合があります。逆に、魔力が高ければ複数の魔法や通常スキルを併用することも可能です】
そうすると、魔力の値がMP量を上回る方が良いな。いくらMPがあっても、最大値が低いと使い勝手が悪い。
次は属性についてだ。親和性が上がると、どんな利点があるんだ?
【親和性が上がると、その属性の効果向上、受けるダメージの低下、同属性の魔法、通常スキルの獲得に補正がはいります】
つまりは属性の数が多いと、恩恵が多数あるというわけか。なら、進化する時は新しい属性を狙ってみるか。
次の質問だ。
特殊能力と通常スキルにある能力の詳細を教えてもらえるか?
【受諾。効果内容は、以下をご参照ください】
そうメッセージが表示されると、ステータス情報の横に新しい画面が現れた。
【特殊能力】
[ゲームプレイヤー]
・ステータス情報確認
【自分のステータス詳細及び、任意対象の簡易情報の確認が可能】
・亜空間エリア
【能力Levelに応じたものまでを吸い込めるアイテムボックスの親戚。生物も入れられるが、生物は時間経過はするので死亡リスク有り。死体は腐りませんが、能力の入口は口の為、早めの消化をオススメします】
・SP交換
【SPを消費して任意のものと交換が可能。能力Levelに応じて交換可能なものが増加する】
・マップ
【自身を中心に、一定範囲の地理・生物情報を確認出来ます。有効範囲は能力Levelに依存】
・■■■■
【以下の内容は、能力Levelの上昇にともない開放されます】
[生物進化の道]
・進化に必要な経験値の低下
【能力Levelに応じて低下します】
・進化可能種族の能力割り増し
【能力Levelに応じて増加します】
・進化可能種族の系統樹保存
【対象種族を進化時選択しなくても、その進化先を以降の進化時にも選択可能になります】
・環境適応・耐性獲得確率の向上及び、能力Level上昇速度の向上
【能力Levelに応じて、確率と速度が向上します】
【通常スキル】
[毒生成]
【Levelに応じた毒を生成可能】
[熱感知]
【Levelに応じた範囲の熱量を感知可能】
[脱皮]
【古い皮を脱ぎ捨て、能力Levelに応じたサイズ分身体を大きくする】
なんだろう。現実感がゲーム要素に喰われていく気がしてきた。
・・・次に行こう。称号の説明をよろしく。
【受諾。表示します】
[転生プレイヤー]
【転生したプレイヤーに贈られる称号】
・経験値の獲得量増加
・SP獲得時に追加ボーナス
・LevelUp時にステータスボーナス
・能力獲得確率の向上
・■■■■への強制参加
・死亡時■■■■する
[■■■■■■■]
【閲覧許可がおりません。表示不可】
塗り潰された部分が嫌に不吉だな。
強制参加に死亡時か。
何か厄介事と悪い想像が掻き立てられるな。
【質問はいじょうですか?】
ああ、今はこれだけで十分だ。
【了承。ステータス情報の説明を終了します。今後とも我々をふるってご活用ください】
そうメッセージが表示されると、今まで目の前で展開していた画面が一斉に消えた。
呆気ない気もしたが、今は現実を優先する。
俺は長い身体をくねらせて、水中移動を開始した。
とりあえずは安全確保か餌が欲しい。
早速ではあるが、手持ちのマップと熱感知を有効化し、敵のいない場所か餌の居る場所を探した。
Level1のせいか、通常の視界までしか範囲がなかったが、360度全方位を見渡せるようなので、意外とLevelが低くても便利そうだ。
あっちへフラフラ、こっちへフラフラ。
やはり転生したての慣れない身体は扱いずらく、真っ直ぐ移動することは出来なかった。
それでも水中適応のおかげか、移動自体はスムーズに行えた。
なんか矛盾している気もするが、主観的にはそうなのだ。
うん?
そうしてフラフラ泳いでいると、マップと熱感知に少し大きな反応があった。
俺は近くにある岩陰に潜り込み、ステータス情報確認を発動させた。
【バブルタートル】
Level:3/10
HP:12/12
MP:10/10
あの画面にあった簡易の言葉通り、種族名、Level、HPとMPしか確認出来なかった。
ステータスや能力が表示されないって、どうなんだこれ?
・・・それはともかく、これからどうするべきか。
Level、最大Level、HP全て向こうが上。
その上名前のとおり目視した外見は亀そのもの。
防御も俺の攻撃よりも上の気がする。
そうなると、選択肢は逃走か毒攻めの二択か。
・・・もう少し周囲を確認しておこう。
最初に遭遇しただけの相手と戦う理由はないしな。
俺は逃走を選択肢し、バブルタートルに見つからないようにその場から離脱した。