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125.終わりは近く

「準備は順調だな」


俺は眼下の光景を見ながら、彼女にそう言った。


「そうですね。貴方の提案は、もう間もなく実行されます」


俺の言葉にそう返してくれた彼女も、俺と一緒に眼下の光景を見ている。


今俺達の眼下では、テレサやその子供達、俺の眷属達がせわしなく動き回っている。

その理由は、先日俺が彼女達にした一つの提案にある。


「そういえば、もうお体の方は良いのですか?」

「ああ。身体の同期は完了しているし、細々とした調整ももう終わっている」

あの姿から元に戻って、すぐさま状態確認と調整を施したからな。

さすがにあそこまで急激に存在構成と規模が変わると、身体のあちこちに違和感が出てたからな。

「そうですか。それはなによりです」


彼女は俺の人型を、頭のてっぺんから足のつま先まで見た後、とりあえずは安心してくれたようだ。


「しかし、俺の中身があんなんだったとはな」

「そうですね。私も知りませんでした。私が上役の方々から聞いていたのは、貴方が特別な存在であるということだけでしたから」

「特別な存在ねぇ?文字通りの規格外ではあるだろうが、特別と言えるかと言うと、微妙なラインだろうな。自身が転生プレイヤーというだけなら、特別な存在というカテゴリーでも違和感はなかったんだがなぁ。本性がアレじゃあなぁー。アレは本質的な意味での規格外だから、この世界で言う化け物には当て嵌まらない。というか、そもそもかりそめホライズンヒュドラの方が、化けモンスターのカテゴリーなんだよなぁー」

「そうですね。今の貴方は魔物ではなく、モンスター(怪物・化け物)というカテゴリーに属しています。もっとも、意味合いは貴方の故郷のものですけどね。私(この世界)でのモンスター(怪物・化け物)は、あくまでもただただモンスターでしかありません。モンスターの異なる意味なんてものは、私(この世界)では皆無ですよ」

「……そうか」


世界が違えば、内包している意味も変わるというわけだ。



「さて、俺達の方もそろそろ準備を始めるとしようか?」

「そうですね。ですが、ブレイバルト様相手によく提案なんて出来ましたよね?」

「ライトの上役が、こちらに友好的なブレイバルト様でよかったよ」

「私達に友好的と言いますか、創主様方は皆様全員が互いに友好的ですよ。それぞれ付き合いも長いですし」

「付き合いが長い?それはいかほどなんだ?」

「そうですねぇ?人の数えられる桁数は軽く超えていますね」

「……そうか」


何と言うか、やはり創主というのは俺達の想像や常識の外側にいるようだ。


うん?


「…少し確認したいんだが…」

「なんでしょう?」

「たしか、人型の転生プレイヤー達は全員敵扱いだったはずだよな?上役達は友好的なのに、なんで手駒の方は敵扱いなんだ?」

「そのことですか?それは創主様方が理由ではなく、選出されている手駒の方の問題です。もっとも、今回のことで私の把握していない隠し札の存在が明らかになりました。人型でも私達の味方はいるかもしれませんね。…私達には把握出来ませんけど…」

「…まあ、そうだな」


いくら彼女がこの世界自身であっても、さすがに創造主と同格の相手が隠蔽していることは探りようがない。いっそ、こちらの上役に情報を請求した方が良いかもしれない、か?

…いや、今回の俺の提案でブレイバルト様は隠し札を切ると言っていた。

あの方は俺達相手に嘘を言う必要性などないから、本当に隠し札を切ってくるだろうな。

なら、直接自分の目で見定めれば良い話しだ。

もうまもなく『狩り』は始まる。

過程や終わりは当初の予定とは異なるが、たいした問題では無い。

堕悪エルフや堕悪ドワーフ達の結末は、以前よりも確固としたものとして確定された。

例え俺達が手を退かざるをえなくなったとしても、ブレイバルト様方が奴らに終わりをもたらす。

創主達の内、被害者側のお二方が今回は動く。

…自業自得とはいえ、多少は同情しなくもない状況だな。


神を超えた先にいる方々が動くのだから、奴らに抗う術などあるわけないのだから。



「滅びが始まる。もうまもなく、この世界に終わりの時が訪れる」

「…そう、ですね。今回は創主様方が動かれるのです。私の終わりも近いことでしょう」

「貴女は一度終わり、やがて再誕する」

「そうです。私のマスターデータは、リーディアス様の手元と貴方の中にあります。それさえあれば、リーディアス様には私の復元はたやすいことです」

「…終わりが近くなってきたな。復讐も、管理神達の解放も、もっと手間取るものだと思っていたのにな」

「そうですね。貴方と最初に出会った頃なら、そうだったことでしょう。ですが、貴方は私や異世界の存在、擬似神格達を次々と取り込み、覚醒していきました。貴方の放った分身達は、今も咎人達の国々を滅ぼし、宝玉を次々と回収しています。今だに回収出来ていない宝玉の数は、すでに全体の一割にも満ちません」

「…そうか」


こうしてあらためて成果を聞くと、かなり状況が進展していることがわかる。

何と言うか、とても感慨深いものだな。

……だが、彼女との別れが近いことも実感出来て、それはそれで嫌なものではあるな。



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