表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
四つの扇  作者: オリンポス
1章:傲慢な西家との対決!
3/101

3.西家の実力者

 さびれた公園だった。

 もはや公園であったことさえも疑わしいほどだ。

 ――ほとんど手入れされていない雑草は好き放題に生い茂り、その全長は人間の姿をすっぽり覆い隠してしまえるほどもある。遊具のブランコはチェーンが外されていて、ジャングルジムはPPロープで縛られている。背の低いスベリ台は梯子の部分にいくつか破損がみられ、シーソーは軸となる部分が摩耗してその機能をはたしていなかった。


 そんな公園に。

 東家の灯火と、西家の虚空こくうがいた。


「おい、お前。俺は自分よりも弱いやつとは戦いたくねえんだ。さっさと西風扇を置いて立ち去れ」


 背の高い草が邪魔をして、お互いの姿は視認できないが、それでも灯火は相手が女の子であることを知り、停戦を申し込んだ。


「私が弱い? それはいささか心外ね」

 虚空は口もとに嘲笑を浮かべ、

「単純な格闘戦ならいざ知らず、これは扇を用いたバトル。扇の使い方に習熟していればいるほど有利になる戦いよ」


「だからなんだって言うんだ?」


「ろくに扇を使わせたこともない軟弱な東家が、西風扇のスペシャリストである西家にかなうはずがない。そう言いたいのよ」


「ああ、そうかい。わかった。ちょっとそこで待ってろ」

 灯火はニタリと口角を上げた。「女だろーが容赦はしねー。思いっきりぶん殴ってやる!」


「ふふふ……。それは楽しみ」


 夕日が西に傾く頃。

 東家と西家の家督争いは始まった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ