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ひっ と驚き後ずさった。
痛い!!!心臓がこれでもかってくらい痛い!!
びっくりした・・なんてもんじゃない。
声を出さずに我慢したのは褒めてもらいたい。
つうか・・驚きすぎて声も出なかったっと言った方が正しいが。
驚きすぎて 死ぬかと思ったよ・・・
これはやばい。絶対やばい。何がやばいって、
全てがやばい。これ以上にないくらいやばいって・・・・。
あーーーーぁ っもう 思考回路がうまく動かない。
ドアスコープ覘いて 人の目があった・・とか
都会で聞くある意味現代版怪談話のひとつじゃないか。
恐いものなんていっぱいあるけど
生身の人間が1番恐いって・・・
…ストーカー?
いや まて もうすぐ産まれて29年になったりするが
そんな被害あったこともなければ 他人の視線なんて感じながら生きたこともない。
え・・じゃぁ 泥棒?
土曜の昼間に大胆に玄関から入る泥棒・・?
あんな大きい音出すだろうか・・・?
つうか、その前に玄関先が広間になってたあれはなんだ・・・?
そして・・人の目・・・バイオレットの瞳だった。
見たことのない色をしていた。カラコンにしても趣味が悪い(余計なお世話)
何にも考えず宅急便のお兄さんにハンコを押してた時間が懐かしい。
まだ30分くらいしかたってないけど マジで懐かしい。
戻れるなら戻りたい!!ってーの。
いや マジで・・・・。
第五研究広間のレヤンナジーグはまだ悩んでいた。
左上の木の板のことはもういい(早い)
いくら見てもなにを意味してるのか答えが出なかったのだ。
次に視点が移ったのが ドアの取っ手部分
見たことのない形式ではあるが特別に変わったことはなさそうに思う。
怪しさ満点だが・・思うしかなかったのだ。
手にとって見ようとしたのだが 触れることが出来なかった。
取っ手の部分に触ろうとして、数回手が空を切ったので簡単に諦めた。
(表札も同じように触ることができなかった)
ちょっと・・屈辱だ・・・なんて思ったのは内緒
しかし少しイラついたので
簡単な攻撃魔法陣を書き ドアに向かって発動してみる。
ドアに向けたその魔法
なぜだか急に方向を変えたように見えドアの脇に当たり
広間の壁に少しだけ焦げ跡を作った。
解せぬ。
なぜだ!!!!!!!!!
私の魔法陣は完璧だったはずだ!!!
なぜ的を外した・・・・?
納得いかない。
あんなにはっきり見えてるのに幻術かなにか?
それであれば取っ手に触れないのもわかる。
しかしそんな術の気配はないのだ・・・
レヤンナジーグは眉間に皺を寄せドアにもう1度近付く
ドアの中心より少し上の部分に丸い…ぽっち?
なんだこれは…
たかだかドアを1つ見つけただけなのに
なぜこうもわからないことばかりなのだ。
そしてその丸いぽっちらしきものを好奇心で覗いた。
真っ暗で何も見えなかった。
…もういい。
なんだか色々ムカついてきた。
あの馬鹿6人に昨日何をしたのか聞けばいい。
動けない・・とか魔力の枯渇とか
そんなのどうでもいい。
今の私の疑問からは 彼らの体調などどうなろうとかまわない。
いや・・第4王子ならどうしたっていいだろう。
他の5人は 一応客人だから 手出しはやめておこう。
レヤンナジーグは眉間の皺を深くしながら
キシリハウアーの部屋に向かった。
レヤンナジーグは生真面目ですが短気です。