24
ケイトが開いた玄関先には
ニサリと・・・また知らない人物2人が立っていました。
ケイトは3人の顔を見てもなんの表情もなく
「じゃ、明日寄る」と言い残しさっさと立ち去ったよ
それに見習い私のさっと扉を閉めようとしたけど阻止されました
くっそぅニサリの奴・・・
「明日って、どーいうことさ?もうケイトまでたらし込んだのかい??思ったよりも君は悪女なのかな?ヤナイ」
「なんでそういう言い方になるかなぁ。ちょっと頼みごとしただけだよ。」
「頼みごと?」
「まあ、頼みごとっていうか…代金?」
「なんの代金さ、ヤナイは女でも売ったのかい?」
「ニサリの頭の中はそんなことしかないの?残念な思想よね。食事代の代わりに食材を貰うだけよ」
「食…事代?」
「て、いうかもういい?今日はもう寝たいんだけど」
「ケイト様は貴女様の手料理を食べたと申されるのですか!!??」
えっ ちょ なに 揺さぶるのは止めてください
不意打ちすぎる!!!
ニサリとの会話を早く終わらせたくて意図的に無視してた新キャラ2人
その片方 白い服の優しい感じの男性
いや、違うな 優しい感じに見えた 男性だな。これ。
「クライズ副団長 落ち着きなって」「副団長~女性を揺さぶっちゃダメだよぉ~」
「あ、はっ これはその・・申し訳ございません 取り乱してしましました」
ニサリと新キャラ緑の子(仮)に止めてもらって
数秒揺さぶられただけで一応助かった。
「こほんっ。大変失礼致しました。お初にお目にかかります。わたくし リッカセイテン魔法師団副団長クライズ・レザードと申します。以後お見知りおきを…」
そう言いながら右手を差し出してくる
握手の文化はここにあるのだろうか?
王子4人衆はそんな丁寧な自己紹介も握手もなかったんだけど・・・
ていうか 以後お見知りおきになりたくないんだけどな(本音)
でも悲しいかな。丁寧な自己紹介をされて握手を求められたら普通に返しちゃうよね。
日本人だもの。OLだもの。それに反応しちゃうんだよ・・・
私が彼の手を取ろうとしたとき
不意にそれが目に入った
気が付きたくなかったよ。
OLとして・・社会人として・・そこそこのスルースキルは持ってるはずなんだ
地味にひっそり生きてきたという自負はある
それに必要だったのは「スルースキル」だと私は思っていて
他の人よりさ それは高めの能力が備わってると思っていたんだよね。
それがこの世界に来てから・・半日も過ぎてやしないのに
私のスルースキルもまだまだだったんだな…って何回気づかされればいいのかな?
クライズ副団長と名乗る彼
茶色のさらさらした髪 銀縁の眼鏡から見える茶色の瞳は優しく微笑んでいる
真っ白な服も似会っていて 王子4人衆とまではいかないが結構なイケメンぷり
でもね。
なんか居る
不意に目に飛び込んだ黄緑色
なんか居る
真っ白い服の左肩
なんか居る
目の錯覚であって欲しかったな。
あれかな・・?ちょっとたまたま止まっちゃっただけなのかな?
私の記憶違いでなければさ
左肩に居るのって
「カマキリ」
とかいう昆虫じゃないでしょうかね? まあ、この国での呼び方は知らないけどさ
カマキリがさ・・・両腕?ハサミっていうのかな
振り上げて 「シャー」のポーズって言えば伝わる・・?
明らかに私を威嚇してるんだよね
虫はね、意外に平気なのよ。ハ虫類は苦手だけど…
でもさあ 小学生の時以来かなあ?カマキリに威嚇をされるのとか…
これ・・スルーすんの?ねえ、この国では当たり前なの?
この国で暮らしていけるほど私には
スルースキルも突っ込みスキルも持ち合わせていない