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 ニサリはキリーを抱え彼の自室へ向かった。


 ベッドに寝かせた後 ジーグに言われた通り素直に助骨を1本へし折る


 ニサリはジーグみたいに魔術は得意ではないが


 多少ならその心得は持っているし


 ケイトほど肉体系ではないにせよ剣に頼らないでもそこそこ戦えるだけの技術もある。


 「外交補佐官」などと言う肩書を持っているが


 結局は 外交を有利にする為の暗躍が彼の主な仕事


 他人の助骨をへし折るなんて赤子の手を捻るように 


 彼にとっては動作もない事だった。


 ベットにキリーを放置し足早に部屋を出てヤナイの部屋へ向かう


 「フフフフ ハーッハハハ こんなところに居られたか ニサリ」


 しまった 面倒くさい人に見つかった・・・とハサリは心の中でうなだれた。



 シルクハットを被った長身の男性。実はニサリの上司だったりする


 ただでさえその帽子姿は目立つというのに


 黒地に色とりどりの花が一周わっさあーと飾られている。


 なにそれなんの生け花?どこで流行ってんの?その帽子は花瓶ですか?


 聞いてみたい事は沢山あるが


 一応上司なのでそんな事聞けない。



 「探してたんですか?わざわざこんな所まで足を運ぶなんて普段しないでしょ」

 

 「ああ、なんだか厄介事がおきてるって聞いてな」

 

 「貴方様が出てくるほどの事じゃないっすよ」


 「・・・今 坊主達を見回ってきたが 皆 魔力が枯渇してるじゃないか」


 「はぁ そうっすね」


 「何があった?事によっては 私が陳謝の旅に出なきゃならないのではないか?」


 「いえ・・そんな事のないように今動いてますよ」


 「ほう。動いてるか・・・では これから何処へ?」


 「まあ色々と?」


 「ニサリに会う前に 先ほどジーグと会ったぞ。面白そうな事を言っていたな」


 「・・・何を言ってました?」


 「魔法陣がどーの 異世界の女性がどーの ニサリに負けないとかなんとか ブツクサ言ってたぞ」


 「はぁ」


 「私も行くぞ」


 「・・・・・・・・・・どこへ?」


 「その異世界の女性とやらに会いに行く」


 「ちょっ 来ないでいいですよ。」


 「何故だ?私は外交官だからな。異世界の女性とはいえ 外交するのは私の役目だろう?」


 「だろうって・・・ それ違くないっすか?」


 「ニサリとジーグが目を付けた女性だろ?面白そうじゃないか」


 「別に目なんて付けてませんよ。」(ただの野次馬根性じゃないか・・。)


 「ハーハハハ 照れるなニサリ」


 「そんなんじゃないですよ!! ただ貴方様だって暇じゃないんですから 仕事してくださいよ」


 「これも外交のうちだろう?」


 「いや・・だから それ違うって・・・」


 「今日はもう日が暮れたからな。レディに会うのにこの時間じゃまずいだろうから」


 「・・・どーしても会うんですか?」


 「ああ、何か不都合でもあるのか?」


 「ないですけど・・」


 「明日の正午 時間を作るよう伝言を頼む」


 「場所は 多分彼女の部屋に出向く事になりますよ?」


 「何故だ?いきなりレディの部屋に赴くなど失礼ではないのか?」


 「彼女はまだこの国に足を踏み入れてる事になるのかどうなのか不確定です」


 「そういうことか。」


 「ええ。60%くらいはもう呪われてしまったのかもしれないけど・・100%ではないのなら」


 「そのままにしておきたいって事だな」


 「はい。彼女の部屋がどの空間にあるのかよくわかりません」


 「ふむ。興味深いのぅ」


 「明日の正午 ご足労願えますか?」


 「わかった」


 「では 伝言を伝えてまいります。」


 「頼んだぞ」


 

 ニサリは一礼をし足早にそこを去ろうとした



 「あ、待て ニサリ」


 「?」


 「土産は何が良いか?」



 うん。知らん。



 と 喉まで出かかったがそれをこらえる。


 「・・・さあ。まだ好みなどわかりませんし」


 「ふむ。そうか・・困ったのぅ」


 いっそその帽子に刺さってる花で花束でも作ればいいんじゃね?

 

 なんて思ってても言わない。


 あ・・・飲み物とか持参した方がいい・・かも?


 あのコーヒーとかいうやつ すっげえ苦かったし・・・


 でも、あれの犠牲になって欲しい気もしないでもない。

 

 うん。これも言わなくっていいや。


 コーヒー出すようにヤナイに言っておこう。



 「そうですね。彼女はずいぶんと不思議で質素な格好をしていました」


 「この国の女性の格好とは違うのか?」


 「ええ。まったく違います。少しでも華やかになるように・・」


 「なるように?」


 「貴方様の被ってるような帽子などはいかがでしょうか?」


 「ぬ。これは特注だぞ? むしろドレスとかの方が良いのではないのか?」


 「ドレスなどはサイズがありますし 彼女の部屋は大きくないので 置き場所に困るでしょう」


 「・・・しかし帽子では 今から作らせても明日の正午には間に合わないぞ」


 「そこは・・貴方様の力ならどうにでもなりましょう。」


 「ふぬ」


 「なにも同じ帽子をお揃いで渡した方がいいとは言ってません」


 「ああそうだな。女性だしな 華やかな女性物の帽子ならいくらでも売ってる」


 「そうですよ。貴方様のセンスで華やかな帽子を贈れば きっと喜ばれます」


 「わかった。そうしよう。」


 では また・・と言いながら外交官は去って行く。




 そうそう。


 あの意味にわからないセンスの帽子を・・ヤナイに送ればいいのさ


 きっと・・・


 迷惑そうな顔するんだろうなぁ~ww


 

 それを想像するとニサリはちょっと楽しくなり


 さっきよりも足早にヤナイの部屋へ向かった。




 ・・・ドレスはそのうち俺が贈る。


 なんて事を想いながら 


 ヤナイの部屋のドアノブに手を掛け・・・られなかった。



 最初に訪れた時と同じ


 ドアノブに触れない。


 何故・・・・!!!!!!


 ガンガンガンっとドアを叩いてみるが反応はない。


 そうだった 最初の時もこんな感じで触れなかったのだ


 少し扉とこの部屋を観察してたら


 たまたま ドアが開いた


 その時にドアの内側に手を入れたのが始まりだ。


 これ・・・中からしか開けられないのか?


 あれ・・?だとすると 俺が部屋の中に入った後に来た3人は


 どうやってこのドアを開けた?


 わかんないな・・・・・。



 

 

 ニサリはヤナイの部屋の前でちょっと途方に暮れた。




 




 


 


 


 


ニサリをハサリと名前勘違いしてました。。。10話あたりからずーーーっと。もうハサリでいいんじゃね?と思いましたが 一応気付いた箇所はニサリに訂正しました。・・・・まあ、別にどっちでもいいんですが(((いい加減でごめんなさい

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