流星④
「英雄になりたい者は続けー!」
「おー!」
前夜祭は盛り上がる。御堂はマゼンタを探していた。ビールに似たシャンパンに似た炭酸物を片手にマゼンタプレイヤーを探す。
いた
マゼンタプレイヤーだ。
どうやって声をかけていいものか?龍も他の連中とつるんでいる。チャンスだ。2人きりで話せる。しかも、マゼンタプレイヤーは一人でポツンとパンを齧っていた。
「赤いのが好きなんだね、NEWONLINEでも赤だった」
「これ、マゼンタって言うんだけど目ある?」
マゼンタプレイヤーはため息。第1声かけは絶望に終わる。間違えたのだ。彼女のこの色は赤じゃなくてマゼンタ。まぁこの2択だったが赤と言ってしまった自分に喝を入れたい。マゼンタと言うかか赤色と言うかかで迷ってた。
「あぁ、マゼンタね、解ってたさ。そのパン美味いよな。特殊なバターつけると美味になるやつ」
「どうだか?あんた、ソロ?」
「いんや、友達と」
「そ、私は基本ソロ。ゼロっていうの楽しそうだからこの集団に乗っかっただけ」
「そうか」
ちなみにマゼンタプレイヤー、ゼロは2階まで上がっていた。ははーとひれ伏さないと。ゼロは女性プレイヤーで女性プレイヤーの中でも珍しいソロだ。
ちなみに、この記録はゼロは2階、彼らはゼロ階ボスと個々別々で記録されている。彼らが行ったことないとこがゼロ階以上でゼロは2階以上って事になるのだ。当たり前な事だが。ゲームクリア階は999階。そこにゼロが着いてボスを倒せばゼロの記録となりゲームクリアとなり牢獄は解放されるという仕組み。まぁ倒すのは彼ら(御堂含む)なのだが。
「先に進めばいいのに」
「息抜きよ。私がいた方が誰も死なないでしょ」
「凄い自信で」
女性と話したのはいつぶりだろうと思いながらツラツラと自分らしくないと思いつつもバイキングにあったパンを頬張る。
「余計なお世話だった?」
「いや、心強いよ」
「私、回復持ちでもあるの」
「何、回復か!?」
「痛ッ」
「ごめん」
つい彼女の肩を掴んでしまった。回復持ちか。龍と回復について話し合ってたからつい欲しくなった。
「ウチのパーティーにこないか?」
「え?お誘い??」
「あ、あぁ」
柄でもない。御堂はついに自分が頭おかしくなったかと脳内で頭を叩く。
スキル・回復、回復持ちがいれば百人力だ。
「悪いけど、ソロだから私は」
「そうか、悪かった」
フレンド交換はしたもののパーティーにお誘いする事は出来なかった。ゼロと共に行動するのはこれで最後かもしれない。