流星
見れるのならもう一度見てみたい。あの輝く流星を。だがそんな簡単には見れないと天文オタクが言っていた。
ゲーマー・御堂蓮が願う物は決まっている。そうSSRが引けますようにだのレアドロップしますようにだの。御堂はなんの星知識もない中流星を探していた。
流星と言えば流星みたいな速さで敵を葬る。とてつもない速さ。こないだのVRMMO・NEWONLINEで見た景色は壮大だった。しかも女性プレイヤーだった気がする。一言で言うなら【赤い流星】。正確に言えばマゼンタなのだろうが御堂にはそう見えた。マゼンタプレイヤーにもう一度出会いたい。残像が物凄く美しく見えたのだ。
「次のゲームもマゼンタなのだろうか?」
次やるゲーム、ゼロ・オンラインは超自由度を誇るVRMMOで人気は高い。絶対この女性プレイヤーはここにも来ると確信していた。名前もまだ聞いていないしだからマゼンタプレイヤーなのだ。マゼンタ野郎じゃなんか失礼な気もするのでプレイヤー。ワクワクしながら明日のサービス開始を待つことにした。と言っても彼はベーターテスターなのだ。なので中身は把握している。【始まりの街】に行けばいい事も知っている。そういやマゼンタプレイヤーはベーターテスターには参加してなかった。
そうそうベーターテスターはどのゲームでも有利に進める事が出来るためか嫌われる度があまりにも高い。なので素性は隠そうと努力する。バレたら終わりなのだ。ベーターテスターの荷は重い。
オールしてしまった。まぁ大丈夫だろう。時刻は午前6時。正式サービス開始までは後4時間。ベーターテスター特典の先ログインをし時間を潰すかと思った。
「よ、加護持ち」
「あぁ、龍。お疲れ様」
ベーターテスター仲間の龍。ベーターテスターはスキルを引き継げるらしい。チュートリアルが省かれる訳だ。そりゃみんなから嫌われるわ。しかも御堂のスキルは【不死鳥の加護】と来たものだ。このスキルはSSSSレアで殺られてもその場ですぐ回復出来るという素晴らしい最強スキルだそのためじっくり弱点把握が出来、相手の行動を読む事が出来る。
「不死鳥がいれば安泰ってか?」
「よせよせ、他の連中は?」
「興奮して今45階ボス無限討伐」
「マジかよ。ようやるわ」
「俺らも行くか?俺のスキル【グングニル】も相当使えるぞ〜」
無限討伐と言うのはもう既に討伐した後に出てくる文字通り無限にボスモンスターを狩れるモードの事だ。いつでも止めれるし途中でも止めれる。
「どこ行く?」
「そりゃもち50階のボス討伐よ」
正式サービス開始まで後3時間。1時間で討伐すると豪語した御堂はやる気満々。