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異世界改革~過労死した俺は女神に同情された~  作者: 西川希龍
第1章 「転生、そして異世界」
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第六話「報酬と寿司」

短いっす。

俺は王城に来ていた。陛下より召集がかかったからだ。きっと、報酬の話だろう。そう思い、俺が門の前に行くと、アルファさんが立っていた。


「アルファさん。こんにちは。今日はどのようなご用件で」


「この間の結果の話。君への報酬とシータの処遇が決定したから報告するために呼んだんだよ。陛下からその話をしていただくから、ついてきて」


そう言われ、アルファさんと俺は歩き出した。想定通り報酬の件だったが、処遇の件について話されるのは予想外だった。正直興味ないんだけどな。あと、今日2人は連れてきていない。あれからシロンに基本教養を教えてもらっているのだが、イータは飲み込みが早く、というより地頭がいいらしく、なんでもできるようになっている。一方でガンマは、そこまで頭が良くないみたいだ。ただ、運動神経はガンマの方が高く、俺が作ったパルクールステージを軽々とクリアしていた。まぁ、イータもガンマほどじゃないがパリクールをクリアしていた。やはり姉に勝てる妹はいないのか。ただ、少なくとも敬語を使う必要があり、1人を連れてきたらもう1人も連れてこなければいけなくなるから、今日は2人とも留守番である。


「ここが王座の間。段の上で陛下が座ってらっしゃるから、その下で跪いて」


「了解しました」


俺がそういうと、アルファさんは大きな扉を開いた。俺がその部屋、玉座の間に入ると、左右には兵士が何人もいた。その中には、この間の部屋にいた顔ぶれもあり、陛下付きの兵士だということがわかった。俺がアルファさんの言われた通り、段の下に跪く。アルファさんも前方に跪いていた。すると、陛下が話し始めた。


「よく来たのじゃ。面をあげよカストル」


俺は言われた通り、顔を上げる。すると、陛下が頭を下げていた。明らかに周りもざわついていた。


「此度は、本当に助かった。感謝するのじゃ」


「陛下、あなたこそ頭を上げてください。私は公爵家子息、いえ国民として当たり前のことをしただけです」


「だとしてもじゃ。妾を治しただけでなく、犯人を見つけてくれた。本当に優秀じゃ。本当なら今すぐにでも臣下に欲しいのじゃが」


「ありがたいお話ですが私はまだ未熟者ゆえ、お断りさせていただきます」


「そうか。なら待つとしよう。そうじゃ、シータのことじゃがな、捉え座敷牢に入れていた時。『倉庫に誘拐組織が倒れている』みたいなことを言っておったんじゃ。それでそこに向かわせてみると、本当に倒れていた。お前は誘拐組織まで壊滅させた。お前が言わせたのじゃろう?」


「ええ。そうですね。使役を解き忘れていたので利用させていただきました」


「それが利用だとしても、シータが役に立ったわけじゃ。それに、実行をするように唆されていたということで刑はそこまで重くならなかった。金貨二万枚と子爵への降格じゃ」


本当に重くなっていないのか?王族から下級貴族への降格は大分重いと思うんだが。いや、極刑にならなかっただけいいのか。それに二万だったら王族にしたら安いか。


「ということで、犯人の逮捕と、妾の肺炎治療。そして肺炎の確実的な治療法の確保。この3つの功績に報酬を与えようと思うのじゃ。何か欲しいものはあるか?」


「それでは僭越ながら。一つ目に法律に口出しをする権利です。奴隷や、使用人の労働環境改善のために、法律を変えたいのです。二つ目に土地です。公爵家くらい大きくなくてもいいので、数十人が暮らせる程度の家を建てれるくらいの土地をいただきたいです。三つ目に、、」


俺が言いかけ、兵士を目で追うと、人払いの意が伝わったようで、全員部屋の外に出してくれた。ただ、兵士も最初は躊躇っていた。しかし俺に敵意がないことはわかってくれたようで、全員出てくれた。ただ、アルファさんには残ってもらうことにした。


「これで良いのじゃな?」


「ええ、ありがとうございます。その三つ目ですが、僕にこの世界のことを教えて欲しいんです」


俺のその言葉に、2人はきょとんとした。


「どういうことじゃ?教える何も住んでいたら知ってるじゃろう」


「私は二週間前までこの世界の住人ではありませんでした。私は別の世界で死に、気づけば12歳の誕生日のカストル・アークトゥルスになっていたんです。記憶は残っていますが、碌なものじゃなく、朧げです。そのため、この世界の右も左もわかりません。なので、教えて欲しいのです。この世界の常識を、そして魔法を」


「そうじゃな。まず、一つ目の報酬じゃが、別にかまわん。奴隷を救いたいのじゃな?そのための法律改正じゃろう。じゃが、法律改正の奏上は、公爵家子息ならもとより権利として与えられている。だから褒美にはならんな。次に二つ目、その土地で何をしたいのか聞かせてもらいたい」


「色々とやりたいことはあるのですが、孤児院なんかを立てて、そこに身寄りのない子供や、障害、病気を持って売れ残ってしまった奴隷が暮らせるようにしたいです」


「そうか、カストルは優しいのじゃな」


「ええ。向こうの世界では奴隷はもうありませんでしたし、それに向こうでの行動のせいで、苦しんでる人を見殺しにできないんです」


「それじゃ。カストルは本当にこの世界の人間ではないのか?」


「ええ。死んでこの世界に来ました」


「そうか。するとリンカーネイショナーということなのじゃな」


リンカーネイショナー、、リンカーネイション、、転生。転生した者の呼び名か?


「それは転生してきたものの呼び名ですか?」


「ああ、そうじゃ。転移してきたものはトランスフェンサーと呼んでおる」


「そうなんですね。そういう部分も含めて教えてくださいませんか」


「そうじゃなぁ。よし、アルファをつけよう。アルファに教えておもらえ」


そうすると、アルファさんが顔をあげ、聞いた。


「私でしょうか」


「ああ。無理か?」


「私は執務があるのですが、陛下のご命令とあらば、喜んでお引き受けします」


陛下に心酔してるな、この人。俺は少し引いてしまった。執務あるなら執務優先しろよ。


「よし。それでは、報酬の件は以上じゃ」


「それじゃあ私はこれで」


俺は立ち上がり間を出ようとしたが陛下に止められてしまった。


「待て、妾はカストルの住んでいた世界を知りたいのじゃ。教えてくれ」


俺は足を止め、微笑み言った。


「何が知りたいですか?」


「そうじゃな、食べ物がいい」


食べ物、か。寿司が一番わかりやすいか。魚なんて、作成で作れんのかな。構造。寿司の構造は米の上に魚が乗ってるってこと。こんなアバウトで大丈夫なのか?細かくなくても。試しゃいいか。万人に好かれそうなのは、マグロだな。いや俺はそこまで好きじゃないけど。というか対して寿司食ったことないけども。


「作成、鉄皿、マグロ寿司わさび入り」


俺がそういうと、皿に乗った寿司が出てきた。いやいけるんかい。絶対無理だと思ってたけども。これ


「それが向こうの世界の食べ物か?」


「ええ。寿司という食べ物です。醤油につけて食べる事をお勧めします」


俺は言いながら、醤油を作成する。


「陛下、ここは私が先に毒味を」


「毒なんて入れてませんよ。素直に食べたいって言えばいいじゃないですか。入れるくらいなら最初から肺炎治したりしませんし。まぁ、毒に似たものは入ってますけど、死にはしません」


この国の人、いやアルファさんにどれだけの辛味耐性があるのだろうか。俺もどれだけの量が入ってるか判ってない。寿司屋でサビ入りで頼んだ時くらいであってほしいが。俺が微妙に焦っていると、アルファさんがついに口にした。数回咀嚼し、飲み込んだアルファさんの額には汗が滲んでいた。そして叫んで言った。


「辛い!」


「まあそりゃそうでしょうね。ワサビっていう辛いものを入れましたから。でもそんなに辛かったですか?」


俺は一応もう一度同じ条件で作成し、口に入れた。あ、こりゃダメだ。入りすぎてる。


「陛下、申し訳ございません。少しわさびを入れすぎました。これ、サビ抜きなので、どうぞお召し上がりください」


俺はそう言って新しく作成したサビ抜きを渡した。陛下は恐る恐るだがそれを口にした。


「美味いな。これは魚か?」


「ええ。米の上に魚を乗せたものになります」


「コメとはなんだ?」


「この世界には米がないんですか? 向こうの世界の穀物です。それと水を瓶に入れて煮たらそうなります」


「そうか。ならその土地でコメを育ててくれないか?」


「いいですけど、そんなにすぐできるものじゃないですよ?それに田植えの季節は春です。今じゃない」


「それでもよい。とりあえず作るのじゃ。土地は明日アルファに連れて行ってもらえ」


「判りました。それじゃあ帰らせてもらいますね」


俺はそう言って、王座の間から出ていった。


「辛いよぉ」

      〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


あと、更新定期かえます。月一。こっちが1日で、恋続の方が15日。次は絶対書くんで。

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