第一話「転生」
中二の戯言みたいなものです。文法、語彙ぐちゃぐちゃの可能性があります。それでもいいかたは、ゆる~く読んでください。
俺は異世界に転生していた。それに気づいたのは12歳の誕生日、目覚めたときだった。俺は、日本ではただの会社員だった。早くに親に捨てられた俺は、孤児院で過ごし、23歳でアニメ会社に転生したのだが、とんでもなくブラックで終電を逃すなんでことがザラだった。そのせいだろう。俺は過労死してしまい、そのまま死んでいくはずだったようだ。なのになぜか女神から同情され、
「あなたを異世界の裕福な家庭に転生させましょう」
と、言われてしまった。なぜ異世界だったかはまあ神のみぞ知るってやつである。そうして、俺はその世界の公爵家子息、カストル・アークトゥルスとして転生した。しかし、転生前のことは生まれるときに忘れてしまっていたようで、今日、12歳の誕生日を迎えたことで、それを思い出したようだ。まぁ、わけのわからない世界に落とされたわけだが、俺は上機嫌である。なぜなら、こういう転生系には必ずチートスキルというものがあるからだ。うちで作っていたアニメでもそんなものである。しかし、どうやってスキルを確認するのだろうか。この世界がアニメ・ゲームと同じようなものなら。
「ステータスオープン」
そう俺が言うと、目の前に緑色の透き通った板のようなものが浮かんでいた。ステータスが見れる系のやつでよかったよ。これがステータスプレートなるものか。
カストル・アークトゥルス 12歳0ケ月1日 人間 男 公爵家第一子
スキル
鑑定 全てのものの内容を確認できる
使役 生物の目を見ると、自分に従えることが可能であり程度は自分で設定可
作成 物の構造を理解していればなんでも作れる
無限魔力Level1 魔法を使うときに使用する魔力に底がない。レベルが上がれば最大値があがる
格納庫 収納数が無限のアイテム格納スキル
解除 あらゆる障害を解除する
魔法
火 水 草 雷 光 闇 風
おお鑑定。ザ・チートって感じのいい能力だな。わかりやすい。てか魔法これ全種類持ちなんじゃね?よし、まあとりあえずスキルを試してみよう。父上だというシグマさんに鑑定でも使ったらばれてお叱りを受けるだろうしな。そしたら実験ができない。よし、メイドにしよう。病気でもしてたら判るし丁度いいだろう。そう思い、俺が部屋から出ようとした刹那、メイドが一人部屋に入ってきた。早速鑑定。
シロン 18歳5か月25日 半獣人【猫】 女 公爵家子息付メイド 元奴隷
スキル
万能家事 家事をすべて完璧にこなせる
魔法
水 水球 冷却
名前は、シロンか。半獣人って、は? ちょっとまて。カストルの記憶を探せば出てくるはずだ。そうか。何度か話されたことがあるみたいだな。この世界にはいろんな種族がいるようだ。街を歩いているのは人間と獣人、半獣人と亜人か。森とかダンジョンには獣とか魔物がいるみたいだな。獣人は二足歩行して人語を理解する獣ってところか。さすが異世界だな。ただ、背丈が人間と同じくらい高いらしい。亜人は、まあ獣人もその範疇なんだろうけど、向こうの世界でいう鬼とかそういうことか。半獣人は獣耳と尻尾を持つ人間か。まあ、ハーフって考えたらいいだろう。昔から奇異の目を向けられて今は奴隷となっている。はァ、奴隷か。何ともめんどくさいものだな。俺が平民に転生していたら縁もゆかりもないと割り切れたのだが、公爵ってことは貴族だ。絶対に学ばなきゃいけないんだろうな。ただ、まだ何かありそうだ。奴隷となった理由、いや半獣人が生まれた理由があるはずだ。獣人は魔法が使える獣が生まれたでまだわかる。半獣人て。何があったらそうなるんだよ。俺がそんなことをグダグダ考えていると、しびれを切らしたようにメイドが話しかけてきた。
「カストル様。どうかなさいましたか?」
「あぁ、ごめん。ちょっと考え事をしてたから」
ん? 言葉がスラスラ出てくる。俺こういう場面では多分敬語になってるのに。もしかしてカストルの習慣が残ってるのか。そりゃそうだ。昨日までただの子供だったんだから残っていて当たり前だな。
「もう朝食の準備ができます。リビングにいらっしゃってください」
「わかった。すぐく行くよ」俺がそういうとシロンが驚いた顔をした。
「珍しいですね」
「何が?」
「いつもは反抗したりするでしょう。今日は反抗していないので」
「あー、うん、ちょっちいろいろあってね」
「熱でもあるんじゃないですか?」
「さすがにそこまでじゃないよ」
「そうですか。では失礼します」
そう言って、シロンは部屋を出て行った。何時も反抗ねぇ。なるほど。カストルはクズだったのか。なにやってんだか。俺もすぐリビングへ行こうと思うのだがよく考えれば俺は寝巻のままである。着替えなければいけない。俺がクローゼットを開けるとそこにあった服はすべて同じセットの服だった。別の服を着たいとは思わなかったのだろうか。そんなことを考えながら着替えて、リビングへと向かった。
リビングにいたのはいかつい父、シグマ・アークトゥルスと、悪役感満載の母、カペラ・アークトゥルスだった。
「おはようございます。父上、母上」
「ああ、おはよう。今日でお前も晴れて12歳だ。四月になったらお前も学園に通うことになる。その心構えはできているか?」
「はい。できております」
学園、か。魔法を学ぶのだろうか。
「そうか。しかし、学園は全寮制なのだ。そこでお前は一人で暮らすことになる。ただ、入学するとはいえ、お前はまだ12歳だ。一人で暮らすのは難しいだろう。だから今日、奴隷商にいって奴隷を買ってもらう」
「奴隷、ですか。私は一人でも生活できますが」俺はそういうが、今度はカペラが口を開いた。
「それは無理ですわ。今まで料理も洗濯も何もしてこなかったでしょう?貴方じゃやれないですわ」
「いや、それは母上と父上が使用人のやることだからやらなくていいといったからでは?」
「ええ。でもどちらにせよやってこなかったのでしょう?ならひとりでは暮らせないでしょう」
「しかし、わたしは奴隷という存在が好ましくないのです」
「それもよい。しかし、貴族、まして公爵という人の上に立つ存在だ。なら知っておかなくてはならない」そう言われ、俺は渋々、うなずいた。
「わかしました。それでいつ行くのですか?」
「朝食を終えたらすぐだ。だが、お前は特に何も用意しなくていい。今回は私が金を出すからな」
「ありがとうございます」
「例には及ばん。父親として当然のことだ」
今までの会話で分かったが、カペラは継母だろう。俺のことを嫌っている。俺のことを全く信用していない。念のため、鑑定しておくか。この日と並ばれないだろう。そう思い、俺は小声で鑑定をする。
「鑑定」
カペラ・アークトゥルス 32歳9ケ月4日 人間 女 シグマ公爵第二の婦人
スキル
無し
魔法
木
2人目ってことは再婚か。つまり、俺の母親は死んでいるかどっか行ったってことだな。会ってみたかったものだ。しかし、継母だからここまで俺のことを嫌ってるのか。うざいなぁ。
「それでは少し部屋に戻っていろ。呼びに行く」
「わかりました」
俺は席を立ち、部屋に戻った。しかし、奴隷か。やっぱし嫌いだな。この世界に法としてある以上、仕方がないんだろうけど。そもそもなんで奴隷なんてものがあるんだ?カストルの記憶には、人間と違うからってなってるけど、それなら獣人もそうなるだろう。それに、意思疎通のできる魔物でもいいわけだ。まあ、半獣人の奴隷は多分、全員女だろう。この家にいる使用人も全員女だ。それに、何の抵抗もせず奴隷になるわけがない。つまり、男の半獣人はもう数が少ないのだろう。その人たちを捕まえるより、人間を奴隷にしたほうがリスクは少ない。江戸時代なら、犯罪者の家族は奴の身分に落とされていた、つまり、半獣人は反逆したということか?もしくは奴隷にするために襲った?それを隠すために自分たちと違うというウソの理由を作ったのかもな。この国の王は何を考えてんだか。俺がそんなことを考えていると、俺の部屋のドアが叩かれた。
「カストル、出発するぞ」
「わかりました」そうして、俺はシグマさんと奴隷商へと向かうのだった。
戯言を読んで頂き有難うございました。これからも更新はするのでその時はまた読んでいただけると幸いです。