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Epilogue ローズマリーの冒険

二人は晩餐会の部屋に戻ると、『王女にはならない』と宣言した。

国王も王妃も残念がったが、ローズの意思を尊重してくれた。


それから、二人の新たな冒険者生活が始まった。

その活躍は目覚ましく、国中どころか世界中に二人の名は轟いた。

その英雄譚は死後も語り継がれ、『ローズマリーの冒険』として世界中の子供たちの冒険心を掻き立てた。


しかし、時が経つにつれ、派手なローズの活躍ばかりが強調・脚色され、マリーの名は忘れられていった。

今では『ローズの冒険』として、世界中で愛されている。

マリーの名を知る者はいない。


しかし、マリーは決して悲しがってはいないだろう。

なぜって?

だって、ローズとの思い出を自分だけのものにできるのだから...


☆彡彡彡


その頃、天上では、


「ローズちゃん!!」

ローズの部屋にマリーが飛び込んでくる。


二人は生前の功績が認められ、天上界に二人で住むことが許されていた。

悠久の時の流れを二人は若い日の姿のままで、共に生きている。


「どうしたの?マリー?」

ローズがマリーを見ると、両手いっぱいにカラフルな布を抱えていた。

「何?これ?」

ローズは二つの三角形が紐で結ばれたものを一つ取る。

「ふふふ...これ、『水着』っていうんだよ!!今、下界では水浴びをする時はこういうのを着るんだって!!」

マリーが得意げに説明する。

「へぇ!!綺麗ねぇ...確かにこれなら大事な部分を隠しながら、邪魔にもならないわ!!」

ローズがいろんな水着を見ながら感心している。

「ねぇ...つけてみない?」

マリーがローズの顔を上目がちに見ながら言う。

その様子に、

(可愛い!!)

そう思ったローズは、

「いいわよ!!マリーには...これがいいかしら!!」

そう言って、布地の少ない真っ白な紐ビキニを手に取った。

「そ、そんなのを?!...下着より隠してる部分、少ないんじゃ...」

マリーが恥ずかしがるが、

「イヤ??」

ローズが聞くと、

「...ううん...ローズちゃんが選んでくれたんだもん!...ちょっと恥ずかしいけど...いいよ...」

そう口にする。

「じゃあ、着せてあげるわね!!」

「えっ?!」

ローズは戸惑うマリーをよそに、服を脱がせると、水着をつけてあげた。

「...どう?」

恥ずかしそうに体をくねらせながら水着姿を見せるマリー。

その様子にローズは思わず破顔する。

「とっても可愛いわよ!!じゃあ次は...」

「えっ!また着替えるの?!」

驚くマリーに、

「そりゃそうよ!!こんなにあるんだもん!!可愛いマリーをたくさん見せて!!」

ローズはそう答えた。

「...うん...」

恥ずかしげに頷くマリー。

そして何回目かの着替えの後、

「ローズちゃんばっかりずるい!!私もローズちゃんの水着姿見たい!!」

マリーがそう言って、頬を膨らませる。

(可愛い~~~!!)

その様子にローズは笑顔になりながら、

「もちろん、いいわよ!!どれを着て欲しい?」

とマリーに聞く。

「じゃ、じゃあ、これ...」

そう言うと、マリーは今着ている水着を脱ぎ始めた。恥ずかしいのか顔が真っ赤だ。

「これ...マリーの脱ぎたての...」

ローズが固まっていると、

「...イヤ?」

マリーが心配そうに聞いてくる。

「ううん!マリーがいいんだったら...」

そう言うと、ローズはそっとその水着を拾い、つけ始める。

(...まだ温かい...ここにマリーの...って変なこと考えちゃダメ!!)

ローズは必死で平常心を保ちながらその水着をつけたのだった。

「可愛い!!」

マリーが水着姿のローズを褒める。

「ふふふ。ありがとう!...でもマリーの方がもっと可愛いわよ!!」

とローズが言った。

「で、でも私、今、何も...」

マリーが戸惑っていると、

「マリーは生まれたままの姿が一番、綺麗で可愛いの!!...もっとよく...見せて欲しいな...」

顔を赤らめながらそう言うローズに、

「...いいよ!私の全部は...ローズちゃんのものだから...」

二人はどちらからともなく抱き合うと、ベッドに倒れ込むのだった...


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