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第七十三話


「六番―――ファースト。星川君―――」


 星川がバットを短く持つ。

 中野監督のサインを見る。

 初球から打てというサイン。


「―――プレイ」


 球審が宣言する。

 星川が構える。

 横田が捕手のサインに何度か首を振った後に、投球する。

 内角低めのボールにタイミングを合わせて、スイングする。

 バットが芯からボール一球分離れた部分にあたる。

 カキンッと言う金属音と共にボールが飛ぶ。

 ボールは一塁側の観客席に入る。


「ファール!」


 審判が宣言する。

 ボールを貰った横田がマウンドで構える。

 星川はバットを短く持ったまま、打席で構える

 捕手のサインに横田は頷く。

 横田が投球モーションに入る。

 指先からボールが離れる。

 星川の目に右回転のボールが映る。

 それはカットボールだった。


「このタイミングなら―――いけます!」


 星川がタイミングを合わせて、フルスイングする。

 バットの上にボールが当たる。

 その感触に星川は無意識に気付く。


「ああっ―――打ち上げちゃいましたか…………」


 言った矢先に捕手の上空にボールが打ち上げられる。

 捕手が動かずに―――落ちてくるボールをゆっくりとキャッチする。


「バッターアウト!」


 球審が宣言する。


「うーん。ツーアウトですか。カットボール意外と苦手な球ですね」


 星川がトボトボとベンチに戻っていく。


「七番―――センター。灰田君―――」


 中野監督がサインを送る。

 打席に立った灰田がヘルメットに手を当てる。


(一球待て―――後は好きに打てねぇ。中野の奴、後があのオワコン二人だから、俺に球種を覚えようとしてんのか?)


 了解のサインだった。

 捕手がサインを出す。

 横田が頷き、投球モーションに入る。

 灰田がじっくりと観察する。

 指先からボールが離れる。

 内角高めのストレートだった。


「ストライク!」


 球審が宣言する。

 捕手が横田に返球する。

 灰田がバットを構える。


(カットボール投げてこねぇかな?)


 捕手のサインに横田が首を振る。

 真ん中高めにボールが飛ぶ。

 灰田が見送る。

 打者の手元に落ちていく。

 チェンジアップだった。


「ストライク!」

 

 球審が宣言する。

 捕手が横田にボールを返球する。


(今遅いのがチェンジアップ―――カットボールはストレートと同じタイミングとスピードで飛ぶから解り難いんだよなぁ)


 灰田がバットを構え直す。

 捕手のサインに横田が頷き、投球モーションに入る。

 指先からボールが離れる。


(ん? ―――ストレートか?)


 高めの誘い球だった

 ストレートが高めでボール球になる。


「ボール!」


 球審が宣言する。

 横田が捕手からボールをキャッチする。

 灰田がバットを構え直す。

 捕手のサインに横田が首を振って、二度目のサインで頷く。

 投球モーションに入る。

 指先からボールが離れる。

 真ん中やや低めにボールが飛ぶ。


(間違いない! カットボール―――だ!)


 灰田がスイングする。

 バットがやや上にあがり、ボールが一個分ズレる。

 カットボールだった。

 わずかな隙間を縫って、バットが空振りする。 

 ミットにボールが収まる。


「ストライク! バッターアウト! チェンジ!」


 球審が宣言する。

 この回、灰田は凡退で終わる。


「くっそー! 球種が解ってたのに―――俺に打力がありゃあ!」


 灰田が肩を落とす。

 横田がふと気づく。


(そうか!? 1番から4番まで敬遠して、5番からなら抑えられる。必ず1点が入るけどみんなの打力で取り返せるんだ!)


 横田はベンチに戻っていく。

 そのことをチームに伝える。

 それを聞いたチームの面々は、その提案に渋々頷く。




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