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第七十話

「高天原高校の攻撃―――五番」


 ウグイス嬢のアナウンスが流れる。

 五番打者が打席に入る。

 ハインがサインを出す。

 陸雄が頷く。

 セットポジションで投げ込む。

 指先からボールが離れる。

 真ん中低めにボールが飛ぶ。

 五番打者が芯で捉えて、スイングする。

 が、ボールは芯で捉えきれずに打者の手元で落ちる。

 タイミングをずらす、チェンジアップ。

 打球は打ち上げて、内野フライのコースに入る。


「オーライ!」


 九衞が内野フライをゆっくり捕る。


「アウト!」


 塁審が宣言する。


「高天原高校の攻撃―――六番―――」


 ウグイス嬢のアナウンスが流れる。

 六番打者が打席に入る。

 ハインがサインを出す。

 陸雄が頷いて、投球モーションに入る。

 指先からボールが離れる。

 内角高めの遅めのストレートが飛ぶ。

 六番打者がスイングする

 カキンッと言う金属音と共にボールが飛ぶ。

 左中間にボールが高く飛ぶ。


「初球打ち! やべー、出塁するんじゃ―――」


 陸雄が焦った時に、レフトの錦が素早い動きで走っていく。

 そのまま落ちていくコースに錦がキャッチする。


「おおっ! 流石は錦先輩!」


 陸雄が喜ぶ。


「アウト! チェンジ!」


 審判が宣言する。

 ボールをマウンドに返球して、錦がベンチに戻っていく。


「錦先輩! ありがとうございます!」


 陸雄がベンチに戻る錦にお礼を言う。


「気にしなくていいよ。打たれるときは打たれるから野手を信頼してね」


「はいっ!」


 ハインが陸雄に寄って来る。


「すまない―――さっきのは俺の配球の読み間違えだ」


 陸雄がハインの肩をポンっと軽く叩く。


「気にすんなよ。別に野球はバッテリーだけの物じゃねぇだろ! 攻撃行こうぜ! ホームラン期待してるぜ」


 陸雄の笑顔に、ハインが陸雄の肩にそっと手を振れてベンチに戻っていく。


(ちょっと完璧主義よりな配球だもんな。俺がハインの打たれた時の負担をこういう所で減らさねぇと!)


 陸雄がベンチに戻っていく。




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