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第84話 授業4~模擬クエスト~

 あの一件以来ピエールは図書室に来なくなった。


 少ししてお姉ちゃんがピエールの部屋に行って話をした後、僕達の担当の時だけ来てくれるようになった。その時は兄ちゃんも図書室に来て一緒に過ごしてくれていた。


 僕もオリバーを説得する手段を考えているけど、やはりなかなか思い浮かばなかった。


 しかしそればかり考えているわけにもいかず、授業の時にはそれぞれ集中して受けるようにしていた。



 教科はドワーフ族についての内容を勉強する事になった。クラスにドワーフ族はゲルガーしかおらず、学校外ではまだドワーフ族と関わった事はなかっただけに色々新しい情報ばかりでとても興味を持った。


 実技では同じ武器種同士での1対1のタイマン対決や、ペアを組んでのクエストならびに模擬クエスト(仮想の条件を設定し、それを完了させる)の完了競争が中心となった。


 そういうこともあり小剣と短剣の違いはあれど、同じ剣同士ということもあってジャックとよく一緒になる事が増え、今日もクエストのバイオレントビーの蜂蜜集め(Bランク)を実施していた。



「ジャック! 今だ!」「······よし!」今も僕がバイオレントビーの大群を惹き付け、後方からジャックが倒す······という今では定番の倒し方を行っていた。


 そうしてバイオレントビーを倒して無事規定数のバイオレントビーの蜂蜜が手に入った。


「よっしゃあ!」「早く先生に提出しに行こう!」「あぁ!」それから僕達は急いでバーミリアン先生のところに戻った。


「バーミリアン先生!  バイオレントビーの蜂蜜集め終わりました!」「おいおい、もう集めたのか?  相変わらず早すぎるだろお前ら。少しは他の組に手を抜いてやれよ」「と言われましても······」「なぁ······」


 そうジャックと言い合っていたら、「そうかそうか。じゃあ次の授業ではお前らが"ビリ"になるような訓練をするとしよう」「「え゛っ」」そう言ってバーミリアン先生はその場を離れた。僕達は顔を見合わせて不安に駆られた。



 翌日、今日は模擬クエストとして対象相手を捕まえるという訓練を行うとのことで、その対象相手とは······ベアーズだった。


「「······(うそぉ!?)」」僕達は顔を見合わせ後悔しあった······。


 ルールはベアーズをここまで連れてくるまでの時間競争とのことで、呼ばれたペアから順番に実施された。


 ほとんどのペアが5分ぐらいで戻ってきており、最後に僕らのペアの番となった。



 先生の合図で捜索しに向かったのだが······全然見つからない!!


「あいつめぇ、どこまで行ったんだ?」「これ絶対、昨日の仕返しだよな。先生の」「多分ね」


(バーミリアン先生も先生なら、ベアーズもベアーズだ!)と思っていたら、足下に真新しい動物の足跡を発見した。


「ジャック! これ」「これって」「まだ付けられて間もないモノみたいだから······」そう言って顔を見合わせて足跡を追って行った。


 そして足跡をどんどん追って行って辿り着いた先は······「「え?」」なんとスタート地点、つまりバーミリアン先生やクラスの皆がいる所だった······。そして当のベアーズは、そのバーミリアン先生の足下にちょこんと座っていたのだ。


 その場所に僕達が着いた途端授業終了の合図が鳴ったため、「よーし授業終了の時間だ。というわけでお前ら2人今回は失格な」とバーミリアン先生が仰った。


「「そ、そんなぁーーー!」」僕とジャックの叫び声がこだましたのだった······。



「ったくお前って奴は」授業が終わってベアーズをスペースへ戻しに行くのも面倒だったので、連れたまま頼み事の掲示板を見に向かっていた。


「絶対わざとだろ。僕らの時だけあんな動きしたのは」と言ったけど、ベアーズは何の反応もせず前を見据えていた。「無視かよ、ったく」


 そうして掲示板に着いて頼み事を見渡していたら、突然ベアーズがある頼み事に手を当てた。


 それを取って見てみたら「これ······」依頼書には"鉱石 (金鉱石)納品、Sクラス、5000G、できるだけ早く"と書かれていた。


(金鉱石って、前にベアーズが見つけたアレかぁ)と考えていたが「イヤ無理だろこれ、Sクラス限定なんだから」と戻そうとしたら、ベアーズが僕をじっと見出した。


(いやじっと見られても。まぁ兄ちゃんに申請してもらうだけしてもらえば良いかもしれないけど······)と思いながら改めて依頼書を見て(でも、金鉱石なんて滅多に見つけられるわけじゃあ······)と思っていたら、(鉱石······)「あっ!!」そこである事を思い出した。


「まさか、お前そのためにこれを······」とベアーズを見たら、笑ったように見えた。「ったくお前って奴は」と言ってその依頼書を持ってその場を離れた。



 所変わって学校のある場所に設置されているベンチにて、図書室から借りている鉱石分布録を読んでいるピエールがいた。僕達が図書委員の担当日以外はここで読んでいるみたいだ。


 そこへ、「おーい、ピエールー!」名前を呼ばれて声のした方を見たら、「レックスさん?」レックスとベアーズが走って向かってきていた。


「どうしたんですか? レックスさん」「ピエール、1つ、聞いて良いかい?」「は、はい」「学校近くで、金鉱石を採集出来る所って、分かるかい?」


「金鉱石ですか?」「ああ」「金鉱石なら、確か王都から東方の高山のどこかにある洞窟の中で採掘出来たかと······」


「ホント!」「確か本にそう書かれていたと思います。王都近くなら······」そうピエールが答えた。


(ここはピエールに賭けよう)「ピエール、一緒に来て!」「えっ?」僕はピエールの手を引っ張ってそのまま兄ちゃんを探しに行ったのだった······。

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