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第112話 進級、急転

 ダークエルフとの戦い後から暫くお休みとなっていた学校も今日から始まったのだが、再開初日から驚く発表があった。


「「え、Aクラスに昇格!?」」バーミリアン先生が僕とジャックを呼び出してそう伝えてきた。


「あぁ。先のダークエルフ達との戦いで特にギガントって奴との戦いの事を聞いてな。それにこれまでの授業の成績なども考慮して実技はもう問題ないだろうと思い、筆記の結果次第ではAクラスに昇格させても大丈夫だろうとスティーブン先生とも相談したんだ」


「や、やったな! レックス」「うん! そうだね、ジャック」「まぁ後は筆記の勉強を頑張るんだな」「「はい!」」


 そうして後日筆記の試験が行われ、結果は······"3年Aクラス昇格"だった。(やったーーー!)と大喜びし、同じくジャックも昇格が決まり2人で大喜びした。



 その日の午後、アリスと共にマーシュのお見舞いへ行った。


「やぁマーシュ」「っ! レックス!」元気な声でマーシュは僕達を迎えてくれた。


「元気になったみたいだね」「ああ。レックス、君が僕の命を助けてくれたんだって?」 


 アリスかドクトリー先生から聞いたんだろう「たまたま素材を持ってたから提供したまでだよ」「それでも、僕にとっては命の恩人だよ。本当にありがとう!」と言って手を差し出してきたので、僕はその手を握った。


「この恩は一生忘れないよ」「大袈裟だよ」「いや、本当にそれぐらいの事をしてもらったんだから」「······分かったよ」とマーシュの言った言葉を受け入れたのだった······。


 そして僕だけ診療所を出て気になる事が出来たのでハウル様の下を訪れた。



 ーーこの恩は一生忘れないよーー


 この言葉が本当なら、それでも真ん中の男はマーシュのままなのか、それを確認したくなったのだ······。


「そうか。あの真ん中の男とそんな関係となったのか」「はい。もしあの言葉が本当なら、真ん中の男はマーシュじゃなくなっているのではと思いまして。それで今一度水晶玉で確かめておきたいと思いまして」「確かにそうじゃのぉ。もしかすると未来が変わっておるかもしれぬからな」「はい」


 ハウル様の許可を得て1人で運命の洞窟を訪れ、無事水晶玉の部屋に来れたので、(これからの未来はどうなりますか?)と思いながら水晶玉に手を置いた。


 すると水晶玉は強く光だし、前回同様上空に3人の顔が映し出された。


 左右のヒト族とエルフ族の顔は前回と同じ顔でまだ見た事のない顔であったが、中央に映し出された顔が前回と変わっており、しかも映し出された顔を見て(っ!? ま、まさか!?)と驚いたのだ。


 そしてその後映像が2回変わって3つの物の映像と男女1人ずつ2人の後ろ姿の映像が映し出されて映像は消えた。



 映像が消えたらすぐに部屋を出てハウル様の所へは戻らず兄ちゃんとお姉ちゃん、そしてアリスを探して一緒にハウル様の所へ飛んだ。


 そしてハウル様の家にて水晶玉で未来を見た事を伝えた上で、「映像が、変わっていたんだ!」と皆に告げた。


「え、映像が変わってたって、どういう事だ?」兄ちゃんが真っ先に聞いてきた。


「水晶玉には最初に3人の顔が映し出されて、左右の顔は前回と同じヒト族とエルフ族の人の顔だったんだけど、中央の顔がマーシュから変わってたんだ」と答えた。


「変わってたって、誰に?」アリスが聞いて来たので、「それが······ジャックにだったんだ!」と僕が答えると、全員が驚いていた。


「ジャックって、ジャック・スミスか!?」「うん、そうだよ」「ど、どうしてマーシュからジャックに?」


「分からない。しかもジャックも僕と同じく来年はAクラスに昇格となったんだ」「それじゃあ、1年間頻繁にジャック君と顔を合わせることになるのね」


「うん。あ、あと······」そこまで言って持っていた紙に2つ目に映し出された3つの物である、全体が青色の玉と白い小さな木の枝のような物と全体が真っ黒の短剣の絵を描いて皆に見せた。


「この3つの物が次に映し出されたんだ」「これは?」「何かは今のところはどれも分からない。ただ、恐らく未来のあの状況を阻止するための鍵となる物になると思うんだ」


「青い玉に白い枝に黒い短剣。種類もみんなバラバラみたいだけど」「けどきっと今までのように必要となって意味の為す物になるはずよ」「確かにそうかもな」3人がそれぞれ思う事を語った。


 そして今まで黙って僕達の会話を聞いていたハウル様が、「いずれにせよ、お主への試練はまだ続くという事じゃな、レックスよ」と仰った事に僕も含め、他の3人も無言でそれぞれ反応したのだった······。

 というわけで、黒幕的存在がマーシュからジャックに変わったところで第2部は終了と致します。

 次回は第3部のプロローグ的お話となります。

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