森の魔物全てに二つ名を付与してみよう
『まぁよい。それでお主はこれから何をするつもりだ?』
「森の全ての魔物に二つ名を与えようかなって」
『二つ名か。我も二つ名を授かった魔物と戦ったことはあるが、確かに強かったな』
「へぇ〜、流石長生きしてるね」
『何を言っておる。お主のやろうとしていることがどれだけ規格外か、分かっておるのか?』
「あはは……。でも出来ることは惜しみなく実践していきたいからさ」
そのために俺は一度目の人生を捧げたのだから。
自重していては本末転倒だ。
『そうか、分かった。では我についてくるがよい』
そう言って、フェンリルは駆け出した。
……って、はやっ!
もうフェンリルが見えなくなってしまった。
俺も急いでフェンリルを追いかけよう。
「【エアジェット】」
風魔法を使った移動手段だ。
魔法の出力を操作することで速さを変えることが出来る。
そして追いついた場所は、フェンリルが先ほどいた洞窟だった。
『おかえり〜』
フェンリルの息子が俺を出迎えてくれた。
「うん、ただいま」
このモフモフの頭を撫でてやると、目を細めて喜んだ。
『どっちが勝ったの〜?』
『アルマだ』
フェンリルからお主以外で呼ばれたのは初めてだったので、少し驚いた。
『うわぁ〜! おかーさんに勝ったんだ! やっぱりアルマはすげえやっ!』
「ははっ、ありがとな〜!」
そう言って、俺はモフモフを堪能する。
てか、このフェンリルお母さんだったんだ。
話し方的にお父さんかと思っていたよ。
お父さんフェンリルの気配は周辺にはない。
家族事情のことは聞くべきじゃなさそうだ。
『さて、それではアルマの要望通り、この森の魔物全てに二つ名を与えさせてやろう。今から魔物達をここに呼ぶ』
「おお! それはありがたい! 一匹ずつ探す手間が省けた」
『うむ。では、今から呼ぶぞ』
ワオォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!
フェンリルの遠吠えが森中に響き渡った。
かなり大きな遠吠えだ。
フランドル領にも聞こえているのではないだろうか。
遠吠えが鳴り止み、静寂が訪れたと思ったのも束の間。
ドドドドドドド……! と、いくつもの足音が聞こえてきた。
じ、地面が揺れている。
魔法で周囲の状況を探ってみると、凄い数の魔物がこちらに近づいてきているのが分かった。
そして、あまり時間が経たないうちに森に住む魔物全てが此処に集まった。
「凄い……。遠吠え一つでこれだけの魔物を動かせるなんて……。流石フェンリルだね」
『ふん、これから更に凄いことをするお主に褒められてもあまり嬉しくないぞ』
『おかーさん、嫉妬しちゃダメだよ!』
『むっ、そんなことはないぞ』
「まぁまぁとにかく、フェンリルのおかげで魔物に二つ名を付与出来るよ。ありがとう。みんな付与し終わったら、フェンリル達にも二つ名を付与してもいいかな?」
『それでお主の従魔になるというわけか』
「そういうことにはなるけど、別に強制とかするつもりはないから安心してよ」
『ふっ、可笑しい奴だ。既にお主の配下になっておるというのに。しかし、二つ名というのを貰うのもこれまた一興だな』
『われも二つ名もらうぞ!』
「ありがとう。フェンリル達にはとびっきりの二つ名を付与するよ」
『おー! それはたのしみだぞ!』
フェンリルの息子は喜んでるようだった。
「よし、それじゃあ早速魔物達に二つ名をつけていこうか」
集まった魔物達を見ていく。
魔法で数をかぞえると、300体いるようだ。
次に、どんな種類の魔物がいるのかを見てみる。
既にフランドル領地で従魔になったウルフにボアは勿論、その他にもスライム、ゴブリン、コボルト、ビッグラビット、ナイトバード、といった魔物が見られた。
この中でも一際強いのがアウルベアだ。
アウルベアはフクロウの頭にクマの身体を持つ魔物だ。
周りの魔物よりも大きいから目立つ。
なので、アウルベアは全体で4体いるのがすぐに分かった。
フェンリルが来るまでの森の主はもしかしたらコイツらだったのかもしれない。
アウルベアには《賢い魔物》よりも少し良い二つ名を与えてみようかな。
『しかし、これだけの魔物に1体ずつ二つ名を付与していくのは大変そうだな』
「大丈夫。魔法の多重詠唱は得意だから」
俺はそう言って、フェンリルに微笑んだ。
フェンリルは、
『やれやれ』
と、呆れた表情で首を横に振った。
【重要なお知らせ】
『その無能、実は世界最強の魔法使い』の《コミカライズ》がスタートしました!
掲載先は【ヤンマガWEB】です!
漫画は三川彡先生が担当してくれています!
なろう系ならではのテンポの良さを存分に楽しめる内容になっています。
本作を好んで読んでくれている方なら気に入ること間違いなしです!
金曜更新の隔週連載みたいなので、是非ヤンマガWEB内でお気に入り登録して更新をチェックしてみてください!
是非【ヤンマガWEB】で本作品のコミカライズを楽しんでいただければなと思います!
引き続き応援よろしくお願いします~!




