23話 エリックさんとの会話
夕食後、俺はルナとサーニャの父、エリックさんと話をすることになった。
これは俺がエリックさんに申し出たことだった。
リビングで夕食を済ました後、二人でエリックさんの部屋に移動した。
エリックさんの部屋の机の上には書類が多く置かれていた。
「アルマくんは凄いな……。たった一日で小屋を作り、そこに魔物を住み着かせてしまうとは」
小屋に住み着いたウルフとボアは、領主であるエリックさんも見に来ていた。
そのときに思ったのだが、やはりこの領地の人達はみんな仲が良い。
領主と領民の距離が近くて、みんなよく笑っている。
この領地の規模はまだ小さいが、団結力なら他の領地よりも高い。
「まだやることは沢山ありますけどね」
「ん? ああ、そうだね。確かに色々なことをアルマ君には経験して貰いたいと思ってるよ。農作業に開拓作業、やるべきことはいっぱいあるね」
ま、間違ってはいないけど!
……なにか勘違いしているようだ。
「そのことなんですけど、俺はそれらの作業を魔物に手伝ってもらおうと思ってます」
「……マジ?」
「はい、マジです」
「……じゃあもしかして今日見せてもらった魔物達って……」
「そのための魔物ですね」
「……なるほど。……でも魔物に農作業や開拓作業を手伝ってもらうのは流石に危ないんじゃないかな?」
エリックさんは領主らしい堅実な判断をした。
ここは自分の領地ではない。
だからこそ俺が本気を出すためにも領主であるエリックさんから賛同して貰わなければいけない。
「はい。今のままだとそう思われるのも仕方ないと思います。だから明日にはあの魔物達にも任せても大丈夫かな、と思うぐらいに成長させます」
「凄い自信だね……。そこまで言うなら見せてもらおうかな。領内は前から人手不足だったこともあるし、魔物の手を借りれるのなら借りたいぐらいだからね。期待しているよ」
エリックさんはニコッと笑った。
「あ、ありがとうございます!」
「ところで今日僕に話したかったことはそれかな?」
「いえ、それだけじゃなくて、魔物に仕事を任せられるなと思って貰えたら、魔物の牧場を作ろうと思うんです」
「……は、ははは……土地は結構余っているからね。ど、どこか良い場所が無いか考えておくよ」
よし、これで魔物達にアレを施せばエリックさんからの了承を得ることが出来るだろう。
俺は再びエリックさんに感謝を告げて、部屋から出た。
部屋の前では、ルナが壁に寄りかかっていた。
「おお、ルナ。どうした?」
「……アルマ、領地に着いたら【アイテムボックス】を教えてくれるって言ってたのに、教えてくれないからまた頼みに来た」
……あー、そんなこと言ってたな。
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