美しく妖精は乱れる
「アーボルト=ハインケル
製叩の貴公子にし天才人形師── 」
「それもその筈、黒人形をたった一人
1体よりも多く造った男だ、神だ」
「そうだっ!! 彼は神・・・ん?」
「青年。今・・何と言ったかね?」
「ですから、僕がハインケルです」
「ハッハ! それは本当かね?」
「ええ、なんなら証拠を見せましょうか?
貴方も知っているはずですよ。支配人」
「なんの話しかね?」
「あの日、僕は家を燃やされ・・
重度の火傷を負った、首にです しかし」
「何の因果かその傷痕には模様があった」
「模様───」
「惚けないで下さいよ。知ってますよね
ドール、ドールハインケル 」
「ほら。綺麗に見える──
僕はあの日、全て奪われた日誓ったんです」
「復讐すると・・・」、
「そうはいくか、私は死なんぞ
まだまだ生きねばならんのだ、シェリナ」
「なっ!」
「擬装人形だよ・・・ そうだな──
あまり戦闘向きではないのがおしい・・・」
「が、お前から逃げるには十分だっ!」
「うっ・・・・煙幕──しまった」
「主様、私を使って───」
「リリー 」
「主様──」
理を犯す愚者なる者よ──
蒼い妖精、
リリー=クロノメリアが命ず
人形師、
アーボルト=ハインケルが命ずる
蒼い妖精を罪あり道戸惑う者に
穢れある愚者とも蒼き聖なる導きを
「なっ! なんだこれは」
「苦しい、助けてくれ・・・・!」
「蒼き審判です。受け入れなさい」
「リリー・・・・貴様あぁぁぁぁああ」
「主様、またお逢いできて光栄です」
「ふふっ・・・そうだね、リリー」
「でも、ちょっと堅苦しいかな・・?」
「そ、それは・・・・」
「まぁ・・ お帰り リリー」
「はい!」
「お待たせしました」
蒼い妖精──
僕がやってきた事が正しいとして
彼がやってきた事が間違いだとしても
ひとつだけ彼は間違ってなかった
リリーは蒼い妖精だと言うこと、
とても綺麗だ──