青海のアバランテュス
暗く 淀んだ街ローゼア
ここには様々な人形と人形師が集まる
「アーちゃん? ここ何処?」
「ローゼ・・・・ 鞄から出てきちゃダメって
あれほど、昨日は言ったじゃないか・・・ 」
「でも、アーちゃん ・・・もういい」
「ロ、ローゼ?」
「ふんっ! 」
「あ、ハはは」
そんな街で今夜、行われるのは
青海のアバランテュス。有名な人形劇
そう・・・・
彼はそこに失った人形が居るのでは?
と、思った訳だった。
「ローゼ。着いたよ?」
「───ふん」
「まだ怒ってるのかい?」
「怒ってない・・・」
「何?」
「怒ってない・・・って言ってるの!」
「あぁ・・ それは良かった」
「でも今日の夜はオムライスだから」
「はいお嬢様。お任せあれ」
誰にでも辛い過去はありますよね
僕も有ります。本来・・人形師は
人を喜ばせる、人と過ごす人形を造る
でも僕は、僕の為に人形を造った
それは僕があまりにも寂しくて
母にねだって買って貰えた人形が
壊れてしまった日・・・ 僕は造った
「もう壊れない人形を───」
そんな、思いで頑張ったんです
その内に僕は有名になってた
もの凄く良い人形があるってね
それが始まりだった──
「止めてくれ、彼女達に手を出すな!」
それはあまりにも残酷で──
「もう・・ 止めて・・・くれ」
苦しい悲鳴だった・・・
「アーちゃん・・・・ アーちゃん・・ 」
「アーちゃん・・・ ・・・ ・・・・・」
奪われたんだ、全ての生き甲斐を
・・彼らはローゼ以外を奪っていった
危険だ、そう言って僕の前に彼女を
捨てた、意味もなく理由もなく捨てた
残る72人は奪われたまま帰ってこない
「アーちゃん?」
「うん」
「・・なんで泣いてるの?」
「昔を思い出してた。皆がいた頃の・・」
「取り返そう、アイツらから ね!
アーちゃん。みんな取り返すのみんなね」
「うん。そうしよう・・・それで笑おう」
「あ! それと。みんなでオムライス!」
「ああ・・・ あぁ・・・・」
「アーちゃん・・・また泣いてるの?」
「泣いてないよ。さあ行こう」
皆が待ってる場所へ──
久しぶりですね。おめでとうございます
いやぁ~ 年も明けましたよ
早いですね、黒人形頑張ります
良かったら見ていってくださいね~
相変わらず寒い寒い
それじゃあ、またね トムネコでした