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黒人形  作者: トムネコ
軌跡の時代 稀代の名工たち
19/38

死者に散る弔い花



「救護隊、息子は大丈夫なのか・・?」



「ええ、命に問題はありません

しかし、脳の伝達機能が止まってます」


「なら・・・ 動けないのか?」


「いえ、一時的なものです

数ヵ月は立つ事も出来ないのですが」


「よかった、君は知っているか?」


「はい・・・・?」



「戦場で足を失った兵士が何と呼ばれるか」


「いえ 私は救護隊ですので... 」


「死人だ、その時点で軍の死者リスト

載ってしまう。そんな兵士は要らないと」


「ですが。他にも使い道があるのでは?」


「私も聞いたことがある・・・

兵士として役目を終えたのなら

他の役目が何処かにあるはずだ、それを」


「探してやれ、と命令した」


「そうすると・・・・ 」


「大統領、お言葉ですが

兵士一人にその待遇をしていては

軍は成り立たないのです。こう言ったよ」


「君も足だけは失わないようにな

君のここでの人生は終わってしまう 」


「はい。 軍曹!」





「あ・・・・ぐ..つ・・・」


「隊長、まだ起きてはいけない」


「軍曹! 彼は悪魔です・・・」


「ああ、理解しているよ」


「違う! 聞いてくれ・・・

あの男は彼女を奪って逃げた。」


「彼女¨ まさか───」


「確認してくれ、父さん・・・」



「あ、あぁ・・・ お前は大丈夫か?」


「心配はいらない、これでも軍人だ

並の鍛え方はしてないよ、身体は丈夫だ」


「そうか、そうか・・・・ 」


「ぐあ"」



「軍曹、これをまだ使えますよね」


「あぁ、隊長・・・ 君のは?」


「私は貴方の援護は出来ます

しかし、殺しは出来ません・・・ 軍曹」




 【コン!コン!】



「軍曹、私です マティス少尉です」


「少尉、何の要かな?

それと、今さっきの音は何の音かな?」


「要があって来たんですよ

そうすると誰も入ってはいけない部屋に」


「誰かが入ろうとしていたのでね」


「音の理由は解った。要件の方は? 」


「いえ、ただ花を届けに来ただけですよ」



「大丈夫か?」


「一応。警戒を・・・」



「入って構わない。しかし君が花か?」


「弔い花ですよ」


「軍曹! 逃げ・・・・・・」


「隊長、貴方のね・・」



「少尉ィ!! 貴様正気か!?」


「貴方も言っていたでしょう?

戦場で足を失った兵士は使い物にならない」


「私もそれに同感ですよ 」


「息子は足を取り戻せる」


「しかし、ペンネの足は使えない」


「そんな! そんな理由で私の子を

私から奪ったのか!? 少尉! 答えろ!」


「え? 何かいけない事ですか?」



「私は本気で戦争をするつもりです」


「出来るだけ。弱者は省いておきたい

そのための処置ですよ。理解頂けましたか」


「理解など、出来るか・・・・

君はとても狂った人間だ。この手で 」


「君を殺したいよ・・・ 」


「フフフフ、仮面は外れる・・・」



「ルゥルゥルルテゥ~ンンン!」





「ここに神が居たなら。

きっと、お前を救ってくれる・・・ 」


「悪いことした、

だが、私には悪魔を殺す力はない」


「彼に賭けてみる。我が子よ、安らかに」







「火が観える・・・・ 始まったか」



「レオナルド様、迎えが来ました

平国の交渉人です。伝言もありますよ」


「解っているだろう?」


「私が伝言など聞かないことを」



「ハハッ・・・ 私"ですか──」


「何か?」



「いえ、もう支配者気取りなのかと」


「私は王にも神にも好かれなかった男だ

一度、たった一度位は夢を魅させてくれよ」


「第二王子では不満ですか?」


「いや、私が彼に負けている事こそが

私にとっては不満なのだよ 」


「では。平国にはこう言っておきます」



「これよりイギリス帝国は戦争を始める」






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