いってきます
童話の赤ずきんをもとに作った言霊遊戯の趣味作品。
昔々、とある森に一つの家族が住んでいた。
その家族は、お母さん、お父さんそして一人娘という平凡な家庭だったが優しく他の人間にも好かれる家族だった。
その家族の一人娘、今となっては名前は分からないが、彼女はいつもお母さんが手作りで作ってくれた赤い頭巾をかぶっていたので、赤ずきんちゃんと呼ばれていた。
そんなある日、赤ずきんのおばあちゃんが病で倒れた。
赤ずきんは優しいおばあちゃんが心配で、毎日のようにお母さんに「おばあちゃんは大丈夫?」と聞き、毎晩月におばあちゃんが早く元気になるようにとお祈りを捧げていた。
ある日、赤ずきんのそんな様子を見かねたお母さんは、赤ずきんにおばあちゃんのお見舞いをお願いします。
「おばあちゃんの好きなワインとパンを持って、御見舞に行ってくれるかしら?」
「勿論、行くわ!」
赤ずきんはお母さんからかごをもらい、意気揚々とおばあちゃんの家に向かおうとします。
「赤ずきん、寄り道をしては駄目よ。最近狼がうろついていると噂になっているから」
「分かっているわ、お母さん。私今年でもう7歳になるのよ?」
「そうね。気をつけていってらっしゃい」
お母さんに元気よく返事をし、今度こそ赤ずきんはおばあちゃんの家に向かいます。