最低な僕と彼女
彼女の愛情表現はストレートだ。
「ほんと最低ね」
膝の上で僕の頭を撫でながら彼女はそう言った。
「クズ」
ふわりと微笑む。
「カス男」
その目は愛おしそうだ。
「ゴミ野郎」
その笑みはますます深まっていく。
「本当に………バカ」
彼女の愛情表現は、本当にストレートだ。
彼女に最低だと言われるたびに俺は、自分が最低な人間であることを誇りに思う。
最低"で"いい、じゃない。
最低"が"いい、のだ。
自分を心の底から、本心で認めてもらえることは、なんと心地よいことだろうか。
「ありがとう、僕も大好きだよ」
そういうと彼女は照れ臭そうにこう言った。
「……最低」