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短編集

最低な僕と彼女

作者: 宛路マリ


彼女の愛情表現はストレートだ。


「ほんと最低ね」


膝の上で僕の頭を撫でながら彼女はそう言った。


「クズ」


ふわりと微笑む。


「カス男」


その目は愛おしそうだ。


「ゴミ野郎」


その笑みはますます深まっていく。


「本当に………バカ」


彼女の愛情表現は、本当にストレートだ。




彼女に最低だと言われるたびに俺は、自分が最低な人間であることを誇りに思う。

最低"で"いい、じゃない。

最低"が"いい、のだ。

自分を心の底から、本心で認めてもらえることは、なんと心地よいことだろうか。


「ありがとう、僕も大好きだよ」


そういうと彼女は照れ臭そうにこう言った。


「……最低」



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― 新着の感想 ―
[一言] なんか・・・シンプルでいいですね
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