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神殿長P。4 非日常。 

 神殿の者たちがザワついている。

無理もない。


いきなり美女が二人も日常に入り込んで来たら

ザワつかないほうがおかしい。


しかも片や賢者、片や聖女だ。


賢者はまだしも聖女には驚いた。

加護がこれほどの方が存在するとは

信じられない思いがした。


前世からの加護をそのまま保持しているなどということ

自体が予想もしていないことで唖然とした。


転生ですべてがリセットされるのが普通なはずなのだから。


あれから一度だけ少年の神は夢においでになり彼女のことを他言しないようにと

口止めされながら説明して下さった。


賢者から聖女を修行させたいとの要望がだされてお受けすることとなった。


ココの僧や神官たちの修行をいとも簡単にクリアしていく様子にもう言葉もない。

前世からの蓄積といえばそれまでだが・・。


勇者には呪いがかかっていて余命が短いとは聞いていた。

賢者は、彼女はそれを解くことができるはずだと言う。


目的が明確なので修行もそれに沿ったものとなる。

かなりきつくて煩雑なものだが愚痴ひとつ言わない。


最初はとまどっていた神殿の者たちも静かな敬意とでもいうものを

感じ始めているように思う。


お申し出を受けて修行の合間には神殿の仕事も手伝っていただいている。

信者たちにも静かに評判になっているようだ。


このままここにいていただけるなら・・・と思わない日はないが

おそらく長居はなさらないだろう。


あの少年の神や軽い神、あるいはその上の存在の意向をうけて

彼女たちは動いているのだろうから。


教主さまにも一応のご報告はあげたがぼかした表現になってしまったのは

仕方のないことだろう。

夢の話なわけだし・・。


現実とはいまだに実感が湧いてこないし、聖女やあの軽い神を目の前にしても

それを受け入れられない自分がいるのも確かなのだ。


神官ならば当然受け入れるべきことなのだろうが受け入れがたい

<非日常>なのだ。


教主さまからの手紙には一言、

<修行が足りない! 。>とあるだけだった。

まあ・・・確かにその通りだろうと納得してしまった。


教主さま・・・全部見えてたとかじゃあないですよね・・と雑念がわいた。


うん・・・やっぱり修行が足りないな。

 あー、教主さま実はかなりみえてます。

周りは気づいてませんが。

少年神はちゃんと<邪魔すんなよ! 。>と夢で一言いってます。マメですね。


まあ、裏な話は割愛です。

神様の出番はできたらバイト君にしぼっておきたいんですよ。

一応ね。

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