王I。5 救済手段。
いったいどうしたものか・・・。
宰相は仕事も真面目だし忠誠心も厚い男だ。
派閥意識が強すぎるのではないかとは思っていた。
特にベアーズにたいして対抗心が強すぎるところがある。
まさか許可なく勇者召喚をするとは思わなかった。
必要な魔石を無断で予備費で購入し魔術師たちの<できたら帰してやりたい>という
気持ちを利用した。
ベアーズが召喚に成功したのが気に入らなかったようだが・・。
あの爆発は召喚された女性の魔力が引き起こしたという。
しかも勇者の婚約者だなんて・・・
召喚されたショックが大きすぎたらしい。
治療師によると魔力を暴発させてしまうと数日しか生きていられないそうだ。
なんてことだ。
これで簡単に詫びの言葉が出てくるほど私は恥知らずではない・・。
宰相を責めても彼女を助ける手段は見つかる訳もない。
もっとも宰相にはなんらかの処罰はせねばならないが・・。
勇者は彼女から離れないが『砦のお返し』のための準備も手配しているようだ。
でるのはため息だけか・・・
なにか方策が見つからないものかと悩んでいたら勇者にかけられた呪術に
対抗呪術をかけたという呪術師が謁見を求めてきた。
神殿に協力を求めたいので許可して欲しいという。
<神殿にこういった場合の救済手段があると聞いた気がします。
たとえダメでも確かめることくらいはしたいです。>
あるのか!? 。
<分かりません。ですが確認してみたいんです。>
聞いてみるのはいいが、こんな若造ではまともに相手をしてくれんだろう。
そうだ! 宰相だ! 。
アレに使者と案内をさせよう。
王や国の重鎮の要請なら神殿も軽くは扱えんだろう。
神殿は国の言うことをなかなか聞かないので
あやつは嫌ってたがこれも罰の一つだと思ってもらおう。
なんとか助ける手段が見つかるといいのだが・・・。
やっぱり勝手にやったのバレちゃってます。
罰のひとつってことは二つ目も三つ目もあるのかも・・。
こういう地味な怒り方の人って怒り狂ってるひとより
コワイかもしれないなあ・・・
宰相さん、覚悟したほうがいいですよ~~。




