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王I。2 謁見1 。

 パーティで会っても五分後には忘れられてしまうだろう。

そんな平凡な印象の男だった。


アルフォンスやベアーズの報告を見る限り何やら一癖ありそうだと思えたが。


まず、勝手に召喚したことを詫びる。

そしてもろもろの戦果の礼を言う。


誇るでもなくへりくだるでもない自然体と思わせる態度に好感をいだいた。


<今日は2つのことをお願いにきました。>


あれだけの功績があるのだから多少の要求は当然だろう。

費用も払ってないし・・・。


一つ目は国境の魔獣の森のことだった。


悪神の遺物があの森には封印されているのだという。

あの森の魔獣が格段に強くて凶暴なのはその影響らしい。

出て来ないのはいにしえの勇者が土地神として結界を張って守っているからだと。


初めて聞く話だったがウソをついているようには見えない。

魔獣が森を出て来ない理由にむしろ納得がいく気がした。


できたら神域として扱ってほしい。

魔獣を狩るのは禁止しないが宮を設置する予定なので狩の前に参拝すれば

多少の加護をしてもらえるだろうと言う。


宮ってなんなんだろう? 。


<あー・・ちいさな神殿というか・・まあほこらですね。>


そんな小さなものでいいのか? 。


<ご本人が小さめのほうがいいとおっしゃってましたので。

あ、費用はご心配いりません。

森の魔獣の素材も魔石も高価でしたから。>


・・・よく話ができたな・・・そんな存在と。


<稽古もつけていただきました。>


のほほんとした顔で言われるとどこまで本当なのか分からなくなってきた。

アルフォンスが目線でウソはついていないと言ってくる。


まあ、金がかかる訳でもないし、そもそもあの森は立ち入れる者など

ほとんどいないのだ。

だからこそ魔族といえども森からやってくるとは考えていなかった。


認めることにした。


神殿がなにか言うかもしれないがあの森に限ったことだし

信者に影響するようなことではないだろう。


魔獣を森の外に出さずにいてくれるだけで有り難いことだ。

魔族側にも認めさせられるのだろうか。


<二つ目はこの戦争のことです。>


こっちのほうが難物だな・・と思った。

 プププ、ジジイ神さま悪神にされてますよ。

そのほうが分かりやすいですけどね。

バイト君がよろこびそうです。


(いにしえの荒ぶる神々はパワーそのものみたいな方々なので

神社・神宮に鎮座いただき丁寧なお祭りをして

ご利益をお分けいただくというのがパターンです。


ご機嫌取って

ココにいて悪さしないでおとなしくしててね。

ってことですね。

神様が全部そうな訳じゃあないですが。


触らぬ神に祟りなし

ほら! コワイんだよ! ウチラの神様って! 。


神様が一人だけの一神教いっしんきょうだとそれ以前の神様は

悪魔とか妖怪とかモンスターにされちゃったりします。


う~ん、神様でいてくださるだけでウチラは

安全なのかもしれません。

お祭り、楽しいしね。

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