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婚約者。2 おでんの鍋。
どこも怪しい感じはしなかった。
普通のマンション。
2LDKでリビングルームが広めには感じたが。
占い師は顔を隠している。
まあ、当然な雰囲気づくりだね。
いろいろ聞かれる。
彼の年齢、誕生日、家族構成、身長、体重、あれば写真と持ち物。
ネクタイにした。
彼女は四角い鍋をだしてきた。
どうみてもおでんの鍋にしか見えない。
フチまで水を入れてなにやらブツブツととなえている。
なんだかあやしくなってきたなあと冷や汗がでる。
そして……鍋の水に手紙を書いている彼が浮かび上がってきた!
思わず息をのんだそのとき、彼女が叫んだ。
ディー! 来て!!
見つけたわよ!!!
占い師はやっぱりアヤシイ雰囲気がほしいよね。