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勇者。14 ウィンドカッター。

 時刻は夕暮れ、すぐに暗くなる時間帯。

ソレはあの<ナニカ>から飛んできました。


「ウィンドカッター」


森の木々をなぎたおし道ができてます。


逃げても多分無駄なので、

土魔法で土塀を造って強化しました。

結局一発だけでした。


夜の森は危険です。

感知力はあがってますがパーティ全員ではありません。

朝になってからご招待に応じることにしましょう。


野営地は道の北側で直径30メーテほど。

ウィンドカッターで切り倒した木々は周りに

組んで積み獣が入れないようにしてあります。

魔獣なら簡単に入れるでしょうが向こうも警戒して

入っては来ないと思います。


土魔法で切り株も掘り起こし平らに整地して楽しくキャンプ・・・

のはずだったのですが。


<ナニカ>はウィンドカッターを使いました。

ココの世界の風魔法は吹き飛ばすのが定番でウィンドカッターのような

使い方はしません。


あの<ナニカ>はもしかして・・・


倒れている木々は道から300メーテほどでした。

その先は石畳の道になってました。

草が石の間から生えまくってましたが。


南の森にも入っていたのになんで気づかなかったんでしょう。

隠蔽の魔法がかかってたのかもしれません。


道の先は丸い広場でした。

<ナニカ>はその少し奥にいました。


岩に腰かけた<鎧武者>でした。

『伊達政宗公』の鎧。


そうかもしれないとは思いましたがまさか伊達政宗公とは思わなかったです。


皆に待ってるように頼み一人で前に進みます。

剣を鞘ごと外して右側に突き立てて置きました。


さて、ご挨拶です。


<私は召喚された勇者です。

あなたもそうだとお見受けしますが伊達政宗公のご縁者の方ですか? 。>


鎧武者は爆笑してくれました。

 日本の鎧ってきれいだしカッコイイよね。

西洋鎧がカッコ良くないとは言わないけど身びいきでしょうが

ウチラのが上だと思います。


お祭り用の段ボール製の鎧ってのを見たことあるんですが

コレが無茶苦茶いい出来でもらって帰りたくなりましたよ。

本物と違って軽いのでイベントにはピッタリだそうです。


アンタ職人やね! って製作者に言いたくなりました。

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