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魔族Ｆ。（砦長）1 拠点。
最初は酔っぱらったアホが飛竜で街へ突っ込んでやられたという
間抜けな話だった。
飛竜は惜しかったがココにはまだいるのでそれほど気にはしなかった。
アイツ嫌いだったし・・・内緒だが。
一週間くらいしたら拠点が一つ落とされた。
砦の前方の防衛のためにばらまくように設置したのだ。
実を言えば手違いで過剰に送られてきた人員を砦に収容しきれないので
外に追い出したのだ。
それこそ一つくらい気にもならなかった。
ところが立て続けにそれこそボロボロと落ちていった。
負傷した敗残兵がゾロゾロと次の拠点へ避難するとそこを狙ってまた落される。
砦に来られても収容しきれないのは最初から分かっているのでできるかぎり
拠点間で都合させて収容させたのだが・・
意外なことに戦死者が少ない。
負傷者ばかりが増えていく。
全員を後方に送るには馬車が足りない。
食料を運んできた荷馬車まで使ってできるかぎり後送した。
敵を迎え撃とうにも出撃したころにはもう落されたあとになっている。
素早く落して素早く消えてしまう。
飛竜で飛んで行ってもあっというまに蜘蛛の子を散らすように逃げ去ってしまう。
逃げずに戦う気はないのか？ 。
拠点も残り少なくなってきた。
防衛のためというのは名目だけのはずだったが無くなると
砦が丸裸にされたような気分になる。
残り少ない拠点から＜勇者＞が攻めて来た！ と連絡が来た。
勇者！ コイツか！ 。
コイツが拠点を落として廻ってたのか！ 。
頭にきて飛竜で飛び出したが飛竜ごとたたき落された。
うん・・・こちらもマジメな方ですね。
この世界の魔族はスペックは高いですが別に悪の権化じゃあありません。
力重視なところはありますが。
戦争は魔王さまの意向。
魔王さまの力が絶対的ってことで納得をお願いしま～す。
