勇者。28 随行。
随行です。
お供です。
簡単なお仕事です。
今回の一行は六人です。
宰相さん・書記官さん2人・俺・アルフォンスさん、
普段はベアーズ大臣の秘書をしてるという荷物持ちな雰囲気のお兄さん。
コンパクトな一行ですねえ。
もっと大勢で来るのかと思ってました。
秘書さんはどうも宰相さんを見張ってる感じなんですけど。
まあ、ベアーズさんも自分とこの人も一行に押し込んでおきたかった
と言うとこですね。
停戦交渉と言いつつどうするかはほとんど決まってるみたいです。
魔王さまがお怒りでなければなんてことない普通の関係だったと
王様が言ってましたね。
人の国の王城もかなり大きいですが魔王城も負けず劣らずです。
大きな声では言えませんが魔王城のほうが好みだったりします。
だっていかにも<城>って感じなんですよ。
人の国のほうは<館>が大きくなった感じで<城>というには
少し違う感じがします。
もともとは隠居した王様のお住まいが大きくなったものなんだそうなのでやっぱり
最初から<城>な魔王城とは違うんでしょう。
そういえば旧都にも王宮があると言う話でした。
停戦になったら彼女と観光にでも行きたいですね。
王様と宰相さんから頼まれて付いてきましたがどうもみんなアルフォンスさんが
勇者だと思ってるみたいです。
プププ・・気楽でいられるのでこのままいきましょう。
と思ってたら魔王様がガン見してきます。
なんかコワイんですけど。
や、やっぱり俺が勇者だって分かっちゃうんですかね? 。
魔王さまには。
晩餐にご招待いただきました。
マナーとか、もと居た世界と同じなんでしょうか?
まあいいや。宰相さんのマネでもして誤魔化しましょう。
なんか落語にそんなのがあった気がするなあ。ドキドキ。
召喚された勇者ということで向こうの世界との食事の違いなんかを
魔王さまに質問されちゃいました。
国ごとに違う食文化は説明しきれないので適当にはしょって外交時の晩餐は
グルメな国のマナーと形式を基準に各国でアレンジされたものを出すことを
説明してみました。
でも内容を聞きたかったというよりオレにしゃべらせてみたかったみたいな
雰囲気でしたねえ。
勇者ってそんなに珍しいんですかね?
前例の勇者はてんこ盛りなほどいたんですけど。
晩餐は早めに終わったので魔王城の見学を希望してみました。
勿論、一般人が見られる程度の場所だけですが。
なんだか顔色の悪かった秘書さん以外の全員で見学ツアーです。
側近の方が色々解説して下さったのでなかなか興味深いものでしたよ。
住んでた世界にもお城は色々あって見学ツアーが盛んだと教えたら、
一般人はそう簡単に入れられないが貴族の子弟の教育用に良いかもしれない
という話になりました。
側近さんって考えることがいっぱいあって大変そうです。
次の日には調印の運びとなり一安心。
ほっとしたところでお庭でのお茶会です。
もうすべて済んで安心してたところで
ベアーズさんの秘書さんが魔王さまにむかって叫びました。
知らない言葉でしたが意味が分かります。
<目覚めの呪文>です。
なぜ? と思ったら魔王さまの様子が変です。
魔力が山のようにふくれあがっていきました。
こ・こ・こ・・これってまさか<魔王さまのお怒り>!? 。
唖然としてる間に吹き飛ばされました・・・。
名無しの権兵衛さんはベアーズさんの秘書さんですねえ。
多分近い人だろうとは思ったんですが。
さて、バイト君は間に合いますかね? 。
間に合ってくれないと困っちゃうんですけどね。




