バイト君。11 目覚めの呪文。
聖女の修行はなんとか完了した。
これであの前世の魔王の呪いが解呪できればバイトも終わりだな・・やれやれ。
あの呪いは本当にイヤラシイ代物だった。
転生担当神でさえ気づかなかったのはタネのような状態で植え付けられて
転生してから徐々に成長していくという厄介極まりないものだったからだ。
挙句は次の転生にまで影響を及ぼしかねない仕掛けまでセットされていた。
アノ魔王は知る限りで最低最悪最凶のヤツだった。
ココの魔王は魔族の王というだけで別に悪の権化じゃあない。
戦争を始めはしたがアレに比べたらガキみたいなもんだ。
まあ、戦争なんぞ人間同士でもやりまくってるしな。
彼女は加護のおかげかなんとか聖女の力を前世なみに発揮できるようになった。
ところが毎日来てる勇者が今日に限って来ない。
はて? 。
聖女に聞いたら休戦交渉の使者に随行することになったそうで
ちょっとの間来られないと言ってたという。
なんだよ・・・。
いろいろ世話になった神殿の連中に挨拶して次の日に聖女と
王都に移動することにした。
宰相やら大臣たちにも礼くらいは言わんとな。
停戦交渉の使者は宰相が行ったそうだ。
ならばと大臣のベアーズ氏のところに出向く。
ドアが開いたとたん暴風に巻き込まれた。
あわてて結界を張り風を鎮める魔法を使う。
なんで部屋の中が暴風圏になってるんだ?
犯人はガキ・・いやベアーズ氏の末娘だった。
砦騒ぎで旧都に避難していた家族が戻ってきたそうだ。
仕事場まで来なくても自宅で待っていれば良さそうなものを
子供なので待ち切れずに駄々をこねたらしい。
そして会えない間にできるようになった風の魔法をご披露してしまったと・・。
おかげで書類で足の踏み場も無くなっている。
おしおき決定だろうがその辺は親の役目だな。
がんばれ! ベアーズ! 。(笑。)
聖女はどうやら片付いていないと落ち着かないらしく誰も頼んでいないのに
端からから片付け始めた。
途中で首を傾げているのでどうしたのかと聞くと
<どうしてココに目覚めの呪文が載ってる書類があるんでしょう? >と言う。
役所の書類に目覚めの呪文ってなんなんだ? 。
大臣がのぞいて
<これは魔王への時候の挨拶文ですよ。
別に目覚めの呪文なんか入れてませんよ。>
コレを聞いて魔王が怒ったので今回の挨拶文は色々推敲を重ねたのだと言う。
のぞいて驚いた! 。
たしかに目覚めの呪文だ。
ただしココの言葉での呪文ではない! 。
前世のアノ魔王の居た世界の言葉での呪文がそこには紛れ込んでいたのだ。
思わず聖女を見る。
彼女の前世の記憶は消去だったはずだから覚えているはずはない。
これは転生でも解除されなかった加護の影響なのか? 。
この呪文で何が目覚めたんだ!? 。
魔王がコレで怒ったとすると・・・
誰がこの挨拶文に呪文を紛れ込ませたんだ? 。
ベアーズ氏に挨拶文の作成者を調べてもらうことにして
停戦交渉の使者の一行を追うことにした。
疑問はいろいろ湧き上がってくるが勇者に危険が迫っているかもしれない。
聖女は置いて行こうとしたのだが付いて行くと言って聞かない。
一行が出てからすでに一日経過している。
彼等からは到着の報告しか入っていないという。
間に合うだろうか・・・
危惧が単なる危惧で終わってほしいと強く思った。
目覚めの呪文ほしいです。
兄のベッドサイドには5個も目覚まし時計が並んでましたが
結局起きるのは誰かに起こされてからです。
同居してた頃はお役目が私だったので迷惑千万でしたねえ。
こっちも寝ていたいのに・・。
どうやら<目>ではないものを目覚めさせたみたいです。
さてどうなりますことやら・・
だんだん作者にも予想がつかなくなって・・・
なんてことになったらどうしますかねえ・・・
コントロールの効かないお話ってのも
すこし魅力的ではありますが・・・。




