魔族W。(魔王の側近)1 同行指示。
最初は海沿いの兵站ルートの崖崩れの報告だった。
一応魔導師を派遣して復旧作業に当たらせた。
ルートは平野側もあるからたいしたことはないと高をくくっていた。
次に来たのはその平野ルートが通行止めだと言う話だった。
領主の触書を見せられたらしい。
少しだけたちの悪い病気が流行ったので広がるのを防ぎたかったと言う話だ。
一時的なものだったようなので確認すら取らなかった。
やっぱり確認はしておくべきだったかもしれない。
突然のようにゾロゾロと兵站基地の兵士たちがルートの起点の町に
現れたと言うからだ。
報告を聞いてひっくり返りそうになった。
人の国の勇者に基地を占拠されたと。
ともかく自分で確かめてみようとルート起点の町まで来て事情を調査してみたが
基地長は逃亡してしまった。
兵士たちの話もいまいちはっきりしない。
戻ったら雷の魔法で消し炭にされるって一体何のことなんだ? 。
空の雷と消し炭とどういう関係があるんだ? 。
そうこうしているうちに主戦場にいたという
上級士官がやってきた。
将軍が捕らえられたという。
どどど・・どういうことなんだ!? 。
物資が届かなくなり様子を見に行った者も帰らず将軍が直々に見にいったら
基地が消えていて落とし穴にはめられた。
う~ん・・・
コレって魔王さまや他の側近や大臣たちに言っても信じてくれるんだろうか? 。
それでも、勇者からと将軍からの手紙を持っていた。
将軍からは主戦場の現状と捕らえられた自分の現状報告。
勇者からは停戦の打診。
停戦・・・
何度も魔王さまに大臣たちがお願いしていたのは知っている。
どうしてお怒りがいつまでも解けないのか皆が不思議に思っているのも知っている。
人の国の国王でなく勇者からの打診なら魔王さまも聞いて下さるだろうか? 。
上級士官を王都に連れ帰り大臣たちに相談してともかくご意向を
お伺いすることになった。
いつもは素っ気なく却下されるところなのに今回は様子が違った。
勇者・・・とつぶやかれた後上級士官を呼ぶように言われる。
直接など滅多にないことなのでお側の者は皆緊張してしまった。
上級士官もコチコチになっていた。
勇者について色々質問されたがなぜかそこで士官に回れと言われた。
なにかを透かして見ているような感じがした。
<いいだろう、話し合いの使者にはその勇者を同行させるように伝えろ。
来なければ停戦はしない。>
停戦できれば大臣たちの憂いも減るだろう。
兵站基地を占拠されても多少の援軍を送れば簡単に突破できるはずなので
交渉の不利にはならないはずだ。
人の国側もきっかけが欲しかったのかもしれない。
いつもと同じ無表情な魔王さまなのに今日はなんだか
嬉し気に見えるのは気のせいだろうか。
勇者に・・なにかあるのだろうか。
ともかく停戦に向けての話し合いができることになった。
内心で勇者に感謝した。
勇者には会ったことがないはずなのになにか引っかかってますね。
なんで嬉し気なんでしょう?
大臣や側近がいても魔王さまは絶対的な方なので上級士官さんも大変です。
それにしても兵站基地の兵士さんたちや様子見でとっ捕まっちゃった
兵士さんたちってどういう扱いになるんですかね? 。
戦場に行きたがらない兵士って意味ないもんねえ。
側近さん達にがんばって考えてもらいますかね。




