神官T。1 クスクス笑い。
なんなんだこの間抜け面は・・・というのが勇者の第一印象だった。
ホントにコイツが魔族の砦を攻略したヤツなのか? 。
信じろっていわれても無理だと思った。
誰だってそう思うと思う。
怪しげで軽薄そうな呪術師と女性を運んできたが真夜中なのに神殿長さまは
普段は部外者を入れない奥まで入れてなにやら秘術を使われたらしい。
魔力の暴発を起こした勇者の婚約者だそうだ。
療養のための滞在だと思ったら勇者の呪いの解呪のために修行するという。
信者でもないのになぜ? と思ったが神殿長さまの意向なので
そのまま通ってしまった。
熱心で多少は才能もあるようには見えた。
それでも、信者でもないのに、、という気持ちはどうしようもない。
合間に神殿の仕事を手伝いたいと言うので雑用やら神殿付属の孤児院での
子供の相手なんかをしてもらった。
勇者は毎日夕刻前にやってきて彼女と話したり子供達と遊んだりして帰っていく。
神殿の転移魔方陣からでてくるのでどこか遠くに行ってるのだろうか。
最近、子供たちに勉強を教えるのが楽な気がしていたが勇者と遊んでいるのが
原因なようだ。
子供たちは遊んでいるつもりのようだが勉強が紛れ込ませてあるのに気が付いた。
そんなやり方って思いつきもしなかった・・。
ふだん思いつめたように真剣な表情の多い彼女が笑っている。
勇者のおでこのうずまきの花模様が可笑しかったらしい。
あああ・・・キスしちゃったよ。
子供たちが見てるのに! 。
ねぇねぇ、結婚するの? 。
するよ。約束してるんだ。
まだ準備中なんだよ。
そう言ってお揃いの左手の指輪を見せている。
どうやら同じ指輪が婚約の印らしい。
ニコニコと柔らかいほほ笑みの彼女が別人に見える。
最初は才能が少しあるだけという印象だったのだが修行は驚くほどの
速さで進んでいる。
神殿長さまは<加護が信じられないほどだ。>と言われた。
まだ勇者の呪いを解く段階には至っていないがそれも時間の問題だと思える。
彼女の影響なのか他の神官や見習いたちも修行を厭わなくなった。
<いずれ出ていかれるだろうがそれまではできる限りのことを
して差し上げるように。
彼女はおそらく使命をもった『聖女』だと思う。道を妨げてはいけない。>
神殿長さまはどうやら私の内心にお気づきだったようだ。
だいぶたってから
<神から夢告を頂いたがそれでもあの二人が現実とはなかなか思えなかった。>
と言われた。
神殿長さまでさえそうなのか・・・
自分が未熟者なのも仕方ないかもしれないと思えた。
子供など居るはずのない神殿の奥なのに
少年のクスクス笑いが聞こえた気がした。
『砦のお返し』をしてるのに彼女のところにもちゃんと通ってるんだねえ。
転移魔法陣マジ便利! 。
一応設定としては到着がわの認証を受けないと移動はできない
ということになってます。
でないと勝手にどんどん入ってきちゃうもんねえ。
ド〇えもんの<どこでもド〇>はとっても欲しい代物だけど
アレで勝手に現れられたらハッキリ言って迷惑そのものですよね。
お風呂場でなくても。(笑。)




