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魔族K。(領主)3 スタンプ。

 息子は庭で魔法の練習をしている。

火球が出せるようになったのが嬉しいらしく毎日励んでいる。

まだ的には当てられないのだが・・。


少し離れた村の村長が誰か連れてやってきた。

ふむ、人間の奴隷か? 。


息子の魔法をはじいた!? 。

魔法を使える奴隷なんてみんな主戦場に送られたはずなんだが・・。


息子になにやら指導したらしく的にポンポンと当たるようになった。

ほんの一言二言だったみたいなのに。


村長が来てあの奴隷を引き受けてほしいという。

値段を聞いたがいらないそうだ。

なぜか持て余しているらしい。


村長がそそくさと帰ってから奴隷が正体を現した。


<すみません、人の国の勇者です。>


おでこに変な花みたいな模様をつけた間抜け面にそんなことを言われても・・。


机の羊皮紙におでこと同じスタンプを押すとそこに魔法をとばした。


<ぼっちゃんにも押させてもらいました。

的があると当たりやすいんですよ、この魔法。>


パチパチとはじけている余波に驚いた。

見たこともない・・いや・・空の稲妻か? 。


<極大ではまだ使ったことが無いんです。

戦闘をしにきたんじゃありませんよ。

ちょっとお話を聞かせていただきたいだけなんです。>


イヤだと言ったらコレの極大が息子に? 。


<スタンプは当分落ちません。

別に当てたいと思ってる訳でもありません。

さっきも言ったようにお話を聞かせていただきたいんです。>


戦略的なことかと思ったら魔王さまの性格やら趣味やら食事の好み、

女性のタイプ・・・そんなん知るか! 。


一番聞きたがったのが

『なぜ時候の挨拶の使者に怒ったか』だった。


それは、側近たちも不思議に思っていたことだ。

普通の使者で変わったこともなかったと聞いている。


なぜか怒りを収めることもなく戦争に突入してしまった。

そんな方ではなかったはずだと皆が口を揃えている。


あれから魔王さまは人がわりされたという者もいる。


原因が使者にあるらしいとは思うのだがどうもはっきりしていない。


勇者は停戦に持っていきたいと言う。

人の国の詫びを受け入れてもらえさえすればそうできるはずだと私も思う。


何度も人の国側からそういう話が来たのだが 魔王さまはかたくなだ。


<仕方ありませんね。

戦場のほうをなんとかしてみましょう。>


え? 一進一退でこちらが押し気味な戦局を勇者ひとりでなんとかすると? 。


<戦場の状況が変われば魔王様もすこしは話を聞いてみる気に

なって下さるかもしれません。


あなたも疑われると困るでしょうから今日のことはご内密にお願いしますね。>

 

そう言ってするりと抜けるように帰っていった。


砦長の言ってたようにコワレタ気はしなかったがなんだか

色々抜き取られた気分なのはなぜだろう。


あとから息子にあの奴隷はどうしたかと聞かれた。

どうやら気に入ったらしい。

戦場に送ったと言ったらスネられた。


スタンプはなかなか落ちなかった。

消えてほっとしたのは確かだ。


それでもまた浮かび上がってくるような気がしてならなかった。

 ギリシャ神話の主神ゼウスさまは夫婦ゲンカで奥さんに

『そんなに威張るならお得意の雷を同じところに当ててみなさいよ! 。』

と言われてグウの音も出なかったとか。


神様でも同じ処には命中させにくいモノなんですね、雷って。


このスタンプがあれば命中率は格段にアップです。

でも物でなく敵なら絶対押させてくれないでしょうけどね。

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