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 ~同・級・生~   作者: cherry
~4日目~
30/33

~6人の絆~

「悪かった……」


 雲居は樋川に向かってそう謝った。


「もういいって」


 樋川はそういうと、急に出かける仕度を始めた。


「あ、おい。どこに行くんだよ」


 僕がそう問いかけると、樋川は「沙耶華を迎えに行く」と言い、黙々と出かける準備を始めた。


 樋川がそういうと、なぜか雲居と古井と佐伯も、出かける仕度を始めた。


 そう、こいつらも樋川と一緒に霜月を迎えに行こうとしているのだ。


 正直嬉しかった。

 だって、さっきまでずっと喧嘩していた僕達だ。それに、昔とは随分変わってしまった同級生が、今、やっと仲直りして団結し始めているのだ。

 

 僕の少しだけあった希望が叶い、とても晴れ晴れとした気持ちだった。


 そして、僕も皆と一緒に出かける準備を始めた。







「ここか……」


 警察署の前に来て、ものすごく張り詰めた空気の漂う場所に、佐伯は思わずこう呟いていた。


「とにかく行こう」


 樋川はそういうと、僕達よりも先に警察署に入っていった。


 警察署の中に入ると、丁度、刑事の宮下さんに会った。

 僕達が頭を下げると、宮下さんは「あ!」と驚き、僕達の方に走って近づいてきた。


「いやー! 皆さん! 丁度良かったです! さっさっ! こちらへどうぞ!」


 宮下さんは僕達をとある部屋へ案内した。


 案内された部屋は、長机が長方形の形に並んでいて、その周りにパイプイスが並んでいる。そして前の方にはホワイトボードがあるという、よく刑事ドラマで出て来るような場所だった。


「あ、ちょっとお待ち下さい!」


 僕達がそこのパイプイスに座ると、宮下さんはそういい残し出て行ってしまった。


 しばらくここで待っていると、宮下さんと金田さんと霜月が中に入ってきた。


 樋川は霜月が入ってきた途端に、霜月のところへ駆け寄り「大丈夫?」などと声をかけた。


「丁度皆さんが来てくれてこちらも幸いです。あ、霜月さんもお座り下さい」


 そう金田さんが言うと、霜月は樋川の隣に座った。


「霜月さんをこちらに呼び出したのは林原さんが殺された事件の事についてです。ただ、霜月さんはずっとこの事について黙秘されていたんですよ……」


 金田さんがそういった途端、僕達は思わず「え」と驚きの声を漏らしてしまった。


 霜月が黙秘しているということに驚いたからだ。


「な、なんで霜月が黙秘してたんだよ!」


 佐伯が霜月にそういうと、霜月はビクッと肩を震わせた。


「ちょっと佐伯煩いんだけど!」


 霜月の事を気遣って、樋川は佐伯に向かって怒鳴った。


「まぁまぁ。それでですね、丁度皆さんがいるので事件の事についてお話させてもらいますね。はっきり言って、私達警察は……殺したのはこの6人の中にいると思っています」




 金田さんの発言に、僕は意味が分からなくなってきた。





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