転校生がきた(5)
前を向くと、俺は言葉を失った。
口を半開きにポカーンとしていると、転校生が笑顔で俺に話かけてきた。
「おはよ、陵!」
クラス中が俺を見た。
―――。
「な、なんで、ここにいんの?!」
「おい、佐々木ビックリしただろう?」
と、はらちゃんが言葉をかけてきた。
「…はい?」
俺は聞き返した。
クラス中、どういう事だ?と、ざわついていた。
「はいはい、静かに。」
と言い、はらちゃんは黒板に転校生の名前を書いた。
書き終わると、転校生へ自己紹介するよう声をかけた。
「じゃ、自己紹介お願いな。」
「はい。」
というと、転校生は一度深呼吸をし、自己紹介をはじめた。
「7組の皆さん、初めまして。陵…あ、佐々木君の友達の島谷翔です、よろしくお願いします。」
翔はさわやかな笑顔であいさつをした。
クラス中ビックリしてて、皆俺に話かけてきてるけど、俺が一番ビックリしていて耳に何も入ってこない状態だった。
そしてクラスの女子達は、笑顔がさわやかなイケメン転校生の翔にくぎ付けになっていた。
ざわついている教室の中、わけがわからない放心状態の俺。
はらちゃんが、翔は東京からきたとか説明していたが、かすかにしか聞こえなかった。
翔の席は、俺の右斜め後ろの席になった。
「陵、なー陵?おーい、陵!」
俺は翔の方を振り向いた。
「あ?うん?な、なんだよ」
「陵のせいで、初登校そうそう携帯没収されたから、帰り職員室いくの付き合ってな!」
翔はさわやかな笑顔で、そういった。
「あ、あぁー…」
ホームルームが終わったあと、はらちゃんが教えてくれた。
翔と俺は友達だけど、驚かせたいから内緒にしてくれと頼まれていたと。
俺はまんまと騙され、こうして翔と俺は初対面を果たした。




