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雑草?いえいえ、黄金です

景色がゆっくりと後ろへ流れていく。

俺は、腕を組みながら流れる景色を見ていた。

ガラガラガラと舗装されていない道を走る馬車の音。

そうです、俺たちは馬車で移動しています。


いざ、出発

と門まで行ってみたら必死になって憲兵みたいな人に止められ、暫くすると偉そうな格好の太ったおじさんが顔を真っ赤にして息も荒く走ってきました。


「どちらに行かれるのですか?」


太ったおじさんはこの国の大臣の一人らしい。

大量の汗を白いハンカチで拭いながら、青い顔をしている。

そりゃそうだ。

継承権なくても王子と皇女だもんな。


「メロ畑の視察だ」


こじつけキタ――(゜∀゜)――!!

おじさんに頼まれただけのくせに。

今理由を考えやがって。

咄嗟の出来事に良くもそれだけ頭が回るものだ。

涼しい顔で対応しているシャクさんに冷たい視線を送る。


「ご予定に入っておりません」

「だろうな。抜き打ちだからな」

「言ってくださればいいものを」

「抜き打ちにならないであろう?」

「しかし、警備もありますし」

「大丈夫だ。リョクがいるからその辺は心配してない」

「リョク王子がおられても、三人も王族が行くなどとなると、警備体制も強化しなければなりません。それに馬などでいくなど・・・盗賊にでも襲われたらどうなさるおつもりですか」

「行かせないつもりか?」


シャクさんの口調が冷たいものに変わります。

後ろにいたおじさんが心配そうに、シャクさんを伺っています。

おれはあまりの冷ややかな声にびくりと肩をすくめました。

最初に耳に触ったときのリョクさんのような迫力です。


「そ・・・そんなつもりは・・・」

「では、どういうつもりだ。メロはこの国にとってならないもの。前々から打診をして視察に行っても本当の姿は見えてこない。だから、抜き打ちで調査をしようという政務を邪魔するのか?」


おじさんの興味本位を政治の材料にまで上げました。

ただのスケベなエロ野郎と思ったが、自分の意見を通すときはガンとして譲らないと言う性格を見たぞ。

シャクさんへの見方を少し変える必要があるかもしれない。


「なぁなぁ、いけないのか?」

「ん?大丈夫。絶対行くから」


後ろからシャクさんの裾をちょいちょいと引っ張って小声でおじさんが話しかけると、首だけ後ろを振り返ったシャクさんはさっきまでの対応はなに?というくらいのさわやかな笑顔で答えていた。

もし、シャクさんを怒らせるような事態になったら、おじさんを差し出そう。

心の中でおじさんに合掌した。


「失礼ですが、そちらの女性は・・」


まぁ、今までシャクさんの影に隠れていたからおじさんの存在には気付かなかったのだろう。

おじさんが話しかけてシャクさんが振り返ったことにより、大臣の視界におじさんが入った。


「お前には関係ない」

「しかし・・・」


すっとシャクさんの大きな目が細められた。

こっわ。

怖いです。

おじさんからは見えてないかもしれませんが、殺気が大臣に向けられています。

こわいよ~。

こぼれた殺気が俺のところにまできてるよ~><

思わず側にいたリョクさんの影に隠れます。


「あぁ、一海ちゃんは初めてだっけ?」


コクコクと頷く。


「シャクは基本無関心な人間には冷たいよ」

「そうですわね。兄弟の中で一番冷たいのはシャクお兄様かもしれませんわ」

「そうなの?」


二人して頷いています。


「涼ちゃんと一緒にいるといつも笑ってるけど、基本は無表情だし」


確かにシャクさんと会うときはおじさんと一緒だったから、怖いと感じたことはない。


「まぁ、内政に携わってるとね、どうしても人間関係が面倒臭いんだよ」

「リョクさんはないの?」

「俺?俺は基本外だしイライラしたときは、魔獣とか狩ってストレス解消してるからな」


リョクさんみたいないつもニコニコ笑ってるバカにもストレスあるんだ。


「おい、バカとは何だ。これでも色々考えてるぞ」


痛くはないけど頭を軽く小突かれました。

またまた、心の声が漏れていたらしいです。

反省。




そんな話をしてたらいつの間にかシャクさんが視察の許可をもぎ取っていました。

まぁ、もぎ取った理由は追求しませんけどね。

大臣が妥協したのは、馬ではいかない、馬車を使う。

最低一個小隊を付けることだった。

小隊はリョクさんの部下が引き受けることになった。

おじさんお我が儘ですみません。

心の中で頭を下げます。


そして冒頭に戻ります。

馬車に惹かれているクッションは高級でお尻は痛くならないし、飲み物と軽食まで用意されていて言うことないです。

飲み物はシャクさんの家で出されていたもので、普通に美味しいです。

ゆったりと馬車の旅を続けていると、視界に黄金の何かが通り過ぎた。

!!!

あれって!


「止めて!」


俺は馬車を停めさせて飛び降りる。


「どうした!?」


俺の異変にリョクさんが剣に手掛け隙なく周りを浮上がいながら慌てて追ってきた。

飛び出した俺に驚いたのリョクさんの部下も一緒だったみたいで馬上で驚きながらも周りを警戒している。

そんな雰囲気に気づかない俺はある物を目指して走る。

馬車の速度だから、そんなに行き過ぎてはいないと思うけど。

目を凝らしながら走ると。

あった。

俺は目的の物に一目散に近寄る。


「こめ~~~~!!!みつけたど~~~~!!」


そうです。

馬車の中から見つけたのは稲でした。

足元が汚れるのも構わずに、泥沼の中を進んで一本稲穂を取る。

中を慎重に開くと精米前の米が見える。


「急いで出て行くから何事かと思ったら・・・雑草じゃないか」


雑草・・・これが雑草ですか?

炊いてよし炒めてよし蒸してよしの純白に輝くこれが雑草?


信じられないとばかりに目を向いてリョクさんを見つめます。

そんあ俺にビビっているのか、少しづつリョクさんが交代している。


「みぃ~どうした?」

「おじさ~~~ん!!」


ゆっくりと近づいてきたおじさんに飛びつきます。


「これ!」


差し出すとおじさんの目がキラキラ輝き出しました。


「おぉ~!これは」

「そうです」

「「米!」」


声がハモりました。

これで糠どころか炊きたての白米も食べれます。

稲を前にすると猛烈に食べたくなってくる。

黄金の稲穂を前に俺は感動で打ち震えます。


「それが探していた糠というものですの?」


幼女は俺達の目的を知っているため首をかしげながら持っている稲を見ています。


「厳密には違うけど。これから糠が作れる」

「でも、これ雑草ですわよ。固くて味もなくて誰も採取しませんわ」

「生で食べると硬いけど、炊いたり蒸したり、炒めたりすると本当に美味いんだよ」

「雑草を食べる?」

「俺達の国じゃこれが主食だったよ。うまいかどうか試してみる?作ってやるよ」

「一海ちゃんの手作りか料理か」

「美味しいか不味いか判断してあげますわ」

「怖いけど、亮ちゃんが食べるなら俺も食べてみたい」


日テレの某バラエティ番組は毎回欠かさず見ています。

おかめの作り方なら何度も見てるので任せてください!

美味しいご飯を炊いて見せましょう。

俺は、全員にお願いをして、生えているだけの稲を刈り取ってもらいました。

あぁ~、炊きたての白米。

待ってろよ~~!

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