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まずはパンツです。

ムカムカする胃を抑えながら街を見回る。


「大丈夫?」

「なんとか・・うぷ」


ヨロヨロと歩く俺に歩幅を合わせつつ、時折俺の様子を伺ってくるリョクさん。


「どこかで休む?」

「結構です」


前を歩いていたシャクさんが振り向いて提案してくれるけど却下しました。

この人は味覚障害認定したので、どのお店に連れて行かれてもまた気持ち悪くなるだけのような気がする。


「じゃぁ、布が売ってるお店だっけ?すぐだからもうちょっと待っててね」


シャクさんの言葉に頷きかけて止まった。

思い出せ。ちょっと休憩で高級店に連れて行かれたんだぞ。

じゃぁ、ちょっと布屋へということは・・・これまた高級店んみ決まってる。

シルク生地のサラサラとしたパンツなんて嫌だ。

綿だ。

しっかりした生地の綿が欲しい。


「リョクさんの知っているお店ってないんですか?」


シャクさんと違ってリョクさんは街の相場も知っていたし、庶民の暮らしもわかっていそうだ。


「ん?街の人間がよく行く場所ってこと?」

「そうです!高級なお店じゃなくて普通のお店」

「あるよ」

「そこ!そこでお願いします。そこに行きたいです。ものすご~~~く」


確かにシャクさんがお金を出してくれてはいるのものの、正直心苦しいです。

さっきのお店だって、全員で20500ヘリンだった。

日本円で2万円だぞ。

飲み物5杯で。

高すぎる。

シャクさんと一緒にいたらお金の価値が庶民のそれと違ってしまう。

いつまでも王子宮に世話になっているつもりもないし、ただでさえ無一文なんだ。

贅沢は敵だ!

良い物を安く!

基本これだ。


リョクさんに連れられていった場所は色々な店舗が連なっている路地だった。

ん~、商店街って感じかな。

左右にお店が並んでいて、活気よく店主たちが通りの人間に声をかけている。

珍しいものが並んでいる中、リョクさんについていくと丁度真ん中の店舗で立ち止まる。

ヒョイっと、覗くと様々な布が売っていた。

手近な布を手に取り、値札を探す。

35Hと値札に書かれている。

一メートル単位なのか10センチ単位なのか分からない。

でも、手触り的にはしっかりしていて、肌触りはいい。


「おや、それがっ気に入ったのかい?」


店の奥からちょっと体格の良い、お尻の大きな女性が笑顔で出てきた。

これはもしかして・・・

期待のこもった表情で。女性が後ろを振り返るのを待つ。


「安いんだけど、強くて長持ちする。なんど洗っても大丈夫。保証するよ」


くるりと振り返ったそのお尻には・・・

期待通り。

クルンと巻いた短い尻尾。

豚だ。

やった~予想が当たった。

良かった~。肉屋じゃなくて。

豚の擬人化が肉屋にいたらちょっと・・・怖い気がする。

自分の肉を切り売りしてるんじゃないかってちょっと不安になって肉が食えなくなっちゃうよ。


「何。人のお尻見ているんだい?」


やばい、じっと見つめ過ぎてしまった。

エロ的な要素は一切ないとしても、仮にも女性のお尻をじっと見つめる。

変態だ。

自分変態です。

慌てて顔の前で両手を振って悪気がないことをアピールします。


「いや、素敵な福々しい、ヒップが羨ましくて・・・つい・・・すみません」

「あんたは貧弱だもんね。もっと太らないと子供産む時大変だよ」


豪快な笑いに。罪に問われることはないんだと胸をなでおろす。

ん?子供を産む?

何故、男の俺が子供を?


「まぁ、まだ子供だからね。でも、子供のうちが重要だよ。栄養をしっかり取らないとね」


おばさんの言っている台詞は自分に向けられたものでしょうか?

子供って・・・もう十七ですが。

そりゃぁ、リョクさんやシャクさんにも勘違いされていたけど・・・

改めて言われるとショックです。


「最低でもそっちの女性くらいにはならないとね」


おばさんの視線の先にはおじさん。

おじさんはぽかーんと口を開けて見ています。

おじさんの胸が最低ですか・・・

幼女もおじさんの胸に視線が行っています。

この胸で最低ラインですか・・・

改て貧乳と言われたような物だよな。

そっか、自分女性扱いだったからお尻見ていても怒られなかったのか。

良かったのか悪かったのか。

いや、これからは堂々と視姦ができるという点では良いことだ!

男だったら逮捕並のことなんだから、女性である今を有意義に生きよう!


「で、買うのかい?」


現実に引き戻されました。


「えっと、買います。この35Hっていうのはどのくらいですか?」

「そうだね、10スクゥイートで35だね」


そう言って広げられたのは、大体10センチくらいの幅だ。


「じゃぁ、それを100すくいーっとください」

「ん?あぁ、1メタルだね」


スクゥイートの上がメタルってことか。


「うん。それと、こっちっとこれも」


とりあえず、黒い色の布と、深緑色のを同じだけ買う。


「後、伸びる紐ってある?」

「伸びる紐かい?」


ゴムがないことには、ズリ落ちてきてしまう。


「なんだい伸びる紐って」


ないのか・・・


「じゃぁ、伸びるような物ってある?」

「そんな物聞いたこともないよ」

「そっか、ありがとう」


どうしよう。

ゴムがないと、履いてもずり落ちおてきてしまう。

できれば作りたくはないけど、ゴムがないならしょうがないか・・・

しょうがない、布を紐で結んで止めるパンツを作ろう。

紐パンだ。

紐を解くのには憧れたけど、自分がまさか紐を結んで使うとは夢にも思っていなかったよ。

とにかく、紐パンだろうがなんだろうが、パンツはパンツだ!

まぁ、男どもも紐だけどな。

むしろふんどし作ってやろうかw


なんて思いつつ、一軒目の買い物を終えた。

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