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幼い記憶

日記にも書きましたが最初はこんな予定じゃなかった><

もっと軽いおバカな話だったの~。

青い顔をして震えている幼女にゆっくりと近づく。

一歩一歩スローモーションのような速度だ。

幼女の顔が更に恐怖に歪み大きな瞳から溢れた涙が後から後から頬を伝っていく。

でも、今の自分には同情の気持ちは沸いてこない。むしろ・・・

俺はその首目掛けてゆっくりと手を伸ばした。


「一海!」


幼女に届く前に裸の女が自分の前に立ち俺の腕を掴んでいる。


邪魔だな。


先ずは自分の目的を邪魔する奴を排除しよう。


掴まれた腕とは反対の腕を伸ばして、腕を掴んでいる女の細い首に手をかける。

少し力をいれればこいつを殺せる。


そう思った時歓喜が体を駆け巡った。

ゆっくりと力を入れていくと女の顔が苦しみに歪んだ。


あぁ、高揚する。


後もう少しこの手に力を込めれば確実に殺せる。

小さな虫けらのような存在を生かすも殺すも俺次第。

ワクワクしてくる。

少しづつ力を込めてゆく。


「み・・・ぃ・・・」


苦しそうに歪められた顔に手が止まった。

誰かの名前を呼ぶその声。

その声を名前を俺は知っている。

ツキンと頭に痛みが走った。

俺は女から手を離し、痛む頭を抱える。

ズキズキと痛む。

まるで締め付けられているかのような痛みだ。



突然、幼い頃の記憶が渦のように押し寄せてきた。



小学校に上がったばかりの自分と3歳年上の従兄弟がいる。

毎日の様に一緒に遊んでいた。

そこには何時も小さな存在が付いてきていた

公園に行くのも山で冒険するのも何時も一緒だった。

フリフリのスカートを来て、腰まである髪に赤いリボンを結んでいた。

耳障りな高い声で自分を呼ぶ。


俺が生まれたのは跡継ぎが必要な家ではなかった。

だから長男だからと言って大事にされた記憶もない。

寧ろ女の子が欲しがった両親は赤ちゃんの頃から女物を良く着せていた。

まだこの時は構って貰えたんだ。

俺が2歳の時、待望の女の子が産まれた。

そして、俺の生活は激変した。

あまりの衝撃に覚えている。

どんなに甘えても邪険にされた。

一生懸命妹の面倒を見ようとしたけど、危ないからと叱られた。

褒められたくていい子にしていた。

どんな言いつけもきちんと守っていた。

なのに、両親は妹ばかり夢中になっていた。いつしか両親は俺の存在を忘れていった。

食事も忘れられるようになり、お腹が空くことが何度もあった。

お腹が空いたと訴えれば母に叩かれた。

見えない場所だったので学校に行っても誰も心配してくれなかった。

それに、学校に行けば給食があったので一食は食べることができた。

学校のない日は公園の水を飲み給食で残したパンを食べた。

一緒に遊ぶ従兄弟が痩せていく俺に何か感じたのだろう。ご飯を食べさせてくれた。

叔母が何度か母に注意をしたが、その度に母は俺を詰った。

お前がいるからだお前なんか欲しくなかった・・・と。

叔母たちもそんな状況に気がついたのだろう、両親に内緒で援助してくれた。

服は新しいのは買って貰えなかったので、見かねた叔母がお下がりをくれたんだ。

それが母にバレた日、俺は裸で外に追い出された。

その年は寒波が押し寄せてきていて、雪が降っていた。


ハラハラと白い雪が舞う中できるだけ暖かくなるように小さく丸まっていた。

寒くて震えてた。我慢してもカタカタとなる歯。

ギュット自分を抱き締めて寒さから身を守った。。

辺りも暗くなっていき街灯の明かりが灯し始めたら頃やっと家にいれてもらった。

玄関から入った時の幸せを覚えている。

温かかった。

余りの暖かさに涙が溢れた。

そんな俺を見て妹が言った。


恥ずかしい。兄とは思いたくない。


自分は暖かい場所にいて、温かい食事をして新品の洋服を着ているのに、俺は従兄のお古を貰っただけで、寒空の下に出された。

妹はそんなは両親を見て育った。

母の真似をして何時も俺を詰っていた妹は俺と一緒の従兄弟に懐いた。

何処に行くのも着いてくる。

俺は唯一の居場所すら奪われるのではないかと妹を疎ましく思っていた。



そして、事件は起こった。




裏山に冒険と称して従兄弟と出掛けていた時だ、何時もの山と安心して遊んでいたらはぐれてしまい妹と一緒に迷子になった。

雨も降ってきて辺りが暗くなり森の中なので明かりすらない。

何時もの様に妹に罵られた。


あなたのせいで涼くんとはぐれた。さっさと探してこいノロマ。寒いから上着寄越せグズ


自分よりも厚着をしていた妹に唯一の上着をとられた。

その上着は従兄が俺の誕生日に何年も貯めたお年玉で買ってくれたのもだった。

嬉しかった。

その思い出を汚された気分になった。

俺の上着を着て母のように見下した目でみる妹に怒りがわいた。

ゆくっりと妹に近づいて妹に手を伸ばす。

最後の記憶は怯えた顔で俺を見る妹の姿だった。



気がついたら従兄弟が泣いていた。

ごめんねと何度も繰り返しながら俺の手を強く握っている。

ふと室内を見渡しても見覚えがない。

消毒の臭いがした白い部屋。

窓には格子がはまっていた。

枕元のブザーを押すと看護師さんとお医者さん、叔母夫婦が飛んできた。

痛いとこはないのか?と聞かれたが何も覚えてるいなかった。

そう、妹の存在も。

質問に答えていくうちに違和感に気付いた叔母夫婦が悲しそうな顔をしたのを覚えている。

見舞いに来てくれてのは叔母の家族だけ。

両親は一度も来てくれてなかった。

それどころか、家に戻った俺を憎々しげな瞳で見ていた。

妹の存在を忘れていた俺は生まれた時から俺に関心のない両親だと思っていた。


思い出した今なら分かる。関心がないんじゃない。妹を殺した自分を恨んでいるんだ。


あの日、俺が手を伸ばした時

妹は今までに見たことのない、無表情な俺に驚いたのだろう。

青い顔をして突っ立っていた。

ゆっくりとその細い首に手をかけたその時止められた。

今みたいにおじさんに。

走って来たおじさんが、後ろから俺を羽交い締めしたのだ。

恐怖に固まっていた妹は咄嗟に駆け出した。

その先に崖があること知らずに。

俺は知っていたんだ。

そのまま走っていけば妹は落ちると言うことを。

知っていたのに止めなかった。

甲高い悲鳴を残して妹は姿を消した。

おじさんが慌てて駆け出し急な崖を必死降りてゆく。

ゆっくりと俺はその場所へと近づいた。

そして、視界の隅にあり得ないわ角度に顔が向いた妹の姿を見た。

妹の近づき必死に名前を呼ぶ擦り傷だらけのおじさんを見たら何だか可笑しくて声をあげて笑った。

上を向いたおじさんの表情が残ってる。

哀れんでいるような悲しい複雑な顔だった。


その後倒れたのだろう俺の記憶は病院に繋がっている。


俺は妹を殺したんだ。



今分かった。

この女が憎い理由が。

何の不自由もなく育ってきて命令する事が当たり前で弱い存在を奴隷のように扱う。

妹にそっくりだ。

消してしまわないと。


ズキズキと頭が痛む。


また・・・俺の大事な居場所が奪われていく・・・

早く・・・早く消してしまわないと。



来週も更新頑張ります。

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