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戦隊ヒーローを結成するようです

シャクさんが遠い目をしています。

これから来る人を思っていうのでしょうか?

でも嬉しそうな雰囲気ではありません。

むしろ哀愁漂ってる?


「あのぉ~、これから来る人って」

「ん~、なんて言ったらいいのかな?」


リョクさんが言葉に迷う人なんですか?

そんな人とこれから旅を共にしなければいけないなんて激しく不安です。


「コツさえ覚えれば楽なんだよ」


なんですか?その車を初めて運転する時のようなアドバイスは。

余計不安になります。


「なぁ、本当に連れてくのか?」

「だって、他にいないだろう?声をかけなかったら、お前ひどい目に遭うぞ。どうせ連れてけって言うに決まってるし。だったら最初から声かけとけばいいじゃないか」


シャクさんは諦めきれないのかブツブツとまだ悪あがきをしています。

一体どんな人物が来るのだろう。


すると、ドアが閉まっているにも関わらず遠くから何かが響いてきました。

立派な部屋なのに防音とかないのか?


ふと前を見ると、シャクさんが覚悟を決めたかのように両頬を叩いて気合をいれています。

大分騒音が近づいてくると、控えめにノックが聞こえました。


「大丈夫だ。開けろ」


立ち上がったシャクさんの声と共に、音もなく扉が開かれました。

しかしそこには誰もいません。

不思議に思い首をかしげていると、一陣の突風が側を通り抜けました。


「シャクお兄様~~~」


飛び込んできた物体は、勢いを殺さずに、腰を落として待ち構えいたシャクさんに抱きつきました。

シャクさんから「う”っ」と息を詰めるような声が聞こえます。

まぁ、俺が煽られてよろめくくらいの勢いだもんな。

倒れなかったことを褒めるしかない。


「シャクお兄様。お会いしたかったです」

「あぁ、うん。元気そうで何よりだよ。ははは」


シャクさん笑い声が乾いていますよ。

あとちょっと棒読みです。


「もしかして、あの子?」

「うん。豆台風。もとい第8皇女のパールス。歳は8歳」


ふんわりとレースがふんだんにあしらわれているドレスを着て、髪は金色で腰までのウェーブ。

小さな頭には、黒い猫耳。お尻から長い尻尾が嬉しそうに揺れています。

念願の猫耳に全然萌えません。

流石に、シャクさんの腰までしかない身長の幼女相手ではなんの感情も湧きません。

マニアには据え膳ものかもしれませんが、俺に幼女趣味はないです。


「へ~、パールスちゃんっていうんだ」


豆台風の風に煽られたのか、おじさんが覚醒をしています。

シャクさんに抱きついたままのパールスさんの肩がぴくりと動きました。


「あなた誰ですの?」


ゆっくりと、視線を巡らしおじさんを視界に捉えると、大きくて茶色い瞳が剣呑にひそめられた。


「沢渡涼。よろしく~」


睨まれているのに気がつかないのか、おじさんは相変わらずのふにゃふにゃとした笑顔のまま挨拶をした。


「別にあなたの名前なんてどうでもいいですわ。何故お兄様と一緒の空間にいますの?」

「ん~。これから一緒に過ごすんだもんな」

「一緒に過ごすですって~~!?あなたみたいな女がお兄様とぉ!?」


きぃ~~~!!

と叫ばんばかりに尻尾の毛が逆立ちました。

あっ、猫も威嚇したりすると逆立つよね。


パールスさんは呪い殺しそうな瞳でおじさんを睨みつけてます。

怖い。

思わずそばにいたリョクさんの腕にすがりつきます。


俺が動いたことでパールスさんの視線がこちらに向きました。

視界の端に捉えられてしまったのでしょう。


「ひっ」


真正面から見つめられて恐怖に声が漏れます。


「まさか・・あなたも?」


首がちぎれ飛ぶんじゃないかと錯覚するほど横に振って否定します。


「一海ちゃんは俺の連れだよ~」

「ならいいんです」


もう興味はないとばかりに視線が外されました。

金縛りから解かれたように体が軽くなります


「大丈夫?」


リョクさんの言葉に、微かに頷くことで答える。

声を出したくても口の中が乾いて、喉が張り付いて出すことが出来ません。


「とりあえず、あなたです!この部屋から出ていきなさい。シャクお兄様と一緒の空間に存在するのはこのわたくしが許しません」

「そりゃァ無理だな。シャクくんとは寝食を共にする仲だし」

「なんですって~~~!!」


般若がいます。

ここに般若がいます。

おじさんの言葉が火に油を注いでしまいました。


「許せませんわ」


地の底から響いてくようなドスの効いた低い声。

これ、いまあのお姫様が出しているんですか?

まるで、昼間あった女狐のようです。

見た目可憐な女の子なのに。

やっぱり、女は怖いです。


「決闘を申込みますわ。わたくしを倒さない限り認めません」

「断る」

「断るですって!王族からの正式な決闘の申し込みを断るですって!」

「おう」

「信じられませんわ」


額に手を当ててクラリと後ろに倒れそうになるパールスさんを、側にいたシャクさんが支えています。

怒りで血が頭に周り貧血状態になったのでしょうか?


目的を忘れて怯えていた俺はハッと我に帰ります。


「おじさんおじさん」


小声でおじさんを呼ぶ。


「なんだ?」

「怒らせちゃダメですよ」

「喧嘩売ってきてるのはあっちだぞ」

「目的忘れないください。仲間にするんでしょう」

「じゃぁ、決闘受けるのか?」

「そうじゃなくて、謝ってください」

「おりゃ、悪いことしてないぞ」

「いいから。悪くなくても謝れば丸く収まります」

「やだ!」

「やだって・・・」

「悪くないのい謝るなんてやだ」


変なところで頑固さが発揮されてしまいました。

説得失敗です。

落ち込む俺の肩を、労わるようにリョクさんが叩きます。

どんまい。

見上げたその瞳は、そう語っていました。


こっちは失敗したので残るはシャクさんがパールさんの怒りを鎮めてくれることを祈るのみです。

縋るような視線をシャクさんに投げかけます。

すると、眉を下げ、耳をへたらせながら静かにシャクさんが首を横に振ります。


え~!説得前に諦めているんですか?


それならとばかりにリョクさんに視線を移す。


「あっ、無理」


一刀両断ですか?

まだなにも聞いてませんよ。


「ああなったあいつは誰にも止められないんだよ」

「じゃぁ、どうすれば」

「自然に怒りが溶けるのを待つ」


そんな簡単なもんなんですか?

あんなに怒っている人を見るのは初めてなんですけど、大丈夫なんでしょうか?

俺にパールスさんを説得しろ?

無理に決まってます。

まだ、死にたくありません。


パールスさんが目を覚ましました。

まるで幽鬼のように起き上がります。


「許せません。こんな女が・・・」


そう呟いたパールスさんは両手を前に突き出しました。


「まさか!」


俺は彼女を止めようと立ち上がります。

ですが、途中でリョクさんに止められました。


「なんで止めるんですか!?」

「大丈夫だから」


パールスさんの手のひらに光が集まります。


「死になさい!」


その言葉とともにパールスさんお手のひらから炎が生み出されました。

これから襲い来る惨劇に覚悟を決めます。


でも・・・


「よっわっ」


小さな火の玉がホワホワとおじさんの下まで飛んでいく。

おじさんはゆっくりと飛んできたそれをフッと息で消しました。

その瞬間パールスさんが崩れ落ちました。


「負けましたわ」

「え~~~~~!!」


思わず叫んでしまいます。

あれで勝つつもりだったんですか!?

あれだけ啖呵きって、それかよ!


「ねっ、大丈夫って言ったでしょう?」


通りで決闘だなんだと騒いでも、二人共動じないわけです。

あんなに弱いなら俺でも勝てます。

まぁ、幽鬼のようなパールスさんは相手したくないですが。


「勝ちだな」

「えぇ、仕方ありませんわ。負けは負けです。シャクお兄様との仲を認めますわ」

「あっ、それはいらない」


おじさんの言葉にパールスさんの後ろでシャクさんが落ち込んでいます。

まぁ、今まで立っているだけで、止めようと努力をしなかったバツだな。

ざまぁみろ。


「仲間になれ」


命令ですか?


「しかたないですわ。仲間になってあげてもよろしくてよ」


え~~~~!!

あっさり仲間獲得しました。


「じゃなくて、パールスさん」

「はぁ?パールスさん!?パールスさんですって?」

「失礼いたしました。パールス姫」

「なんですの?」

「簡単に仲間になると言いましたが何の仲間になるのか分かっていますか?」

「知りませんわ。でも、仲間になればシャクお兄様と一緒いいれるんですよね」

「決闘に負けたから諦めたのでは?」

「今は、譲ってあげただけですわ。わたくしがシャクお兄様を諦めるはずがありませんわ」


だったら今の勝負はなんだったのでしょう。

こっちは、決闘なんて一大事を止めようと努力していたのに。

ちょっとイラっとします。

そんな俺の肩にリョクさんが手をかけました。


「決闘はあいつの口癖だ」

「はぁ?あんなに弱いのに?」

「実際に戦闘経験ゼロだ」


あぁ、腐っても王族ってやつですね。

決闘前に相手が逃げ出すっと。


所詮子供なんですよね。

なんといっても8歳ですし。

子供のすることと諦めるしかなさそうです。


もしかして、二人もこんな心境なんでしょうか。


「で、仲間になって何をしますの?」

「旅にでます」

「旅にでる?ですって」

「はい。ひとまずこの国を回ってみようかと」

「それとお兄様方とどういう関係がありますの?」

「えっと、・・・」

「分かりましたわ。お兄様の優しさに付け込みましたのね。いいですわ。お兄様が変な女の毒に侵されないように私がしっかり守りますわ」


まだ何も言ってません。

どうして、この手の種類の女は人の話を聞かないのでしょう。

女狐然り、この猫娘然り。


はぁ~と大きく息を吐きました。

もう何も言いません。

したくないです。

勝手に勧めてください。

俺は投げます。


今まで俺に一切の説明を任せていたおじさんが唐突に口を開きました。


「よし、これで五人揃ったな。次は色だ!」

「「「色?」」」


戦隊物に付き物の色分けですね。

好きにしてください。

俺には止める気力なんて残ってません。


「ん~、シャクくんは・・・緑」

「えっ、緑?えっ?」


あぁ、戦隊モノを見てるんですね。

確かいま放送しているのは動物レンジャー、アニマルファイブでしたっけ?


赤、犬 熱血

青、申 冷静沈着

黄、鳥 楽天家、

緑 兎 平和主義

桃、猫 ヒロイン


まぁ、ぴったりなくらい種類も性格も揃っていること。

このために放送でもされていたのでは?と疑いたくなるくらい一致されています。


「赤は犬だからリョクくんな」

「へ~、赤か。格好いいじゃん!情熱の赤ってね」

「で、ピンクは猫だからパールスで」

「侮辱ですわ!わたくしはそのへんの猫族とは違います。高貴な生まれですのよ」

「ピンクは可愛くって選ばれし物なんだぞ。パールスにぴったりじゃないか」

「あら、わたくしにぴったりですのね。しかたないからピンクでいいですわ」


パールスさんの尻尾が嬉しそうい左右に揺れています。

単純だな

まぁおじさんが嘘つくわけないし本当にそう思ってるんだろうな。

なんだか、この二人息が合いそうです。

それに、おじさんは名前呼び捨てにしても怒られてないし。

俺なんてさん付けしてるのに睨まれたんだぞ。


もしかして、この先俺が面倒を見なければいけないのだろうか?

面倒だ。

今そこで、話の展開に1人ついていけずオロオロとしているシャクさんに丸投げしてやろう。


「青は申だからみぃな」

「はいはい」


まぁ、ある程度覚悟はしてましたよ申になるって。

皆さん勘違いしないでくださいね。


自分が申に似ているわけではありません。

性格ですよ。

ちょっと上の文を読み直してください。


青・・・冷静沈着


って書いてあったでしょう?


顔が長いわけでも、お尻が赤い理由でもないですよ!


今まで興味なかったけど。戦隊物が嫌いになりました。

今回の作品は特に憎い。


何故、青を申にした!

もっと他にも動物がいただろう!

鹿とか羊とか色々いるだろう。

何故動物の中から申をチョイスした。



構成した人物を呼び出して小一時間問い詰めたい心境です。


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