異世界で生きていくようです
落ち着いたせいか色々と聞きたい事が出てきました。
おじさんから離れて、全体を見つめます。
「本当に俺の知ってるおじさんなんだよね」
「もう、おじさんじゃないけどな」
苦笑いしながらおじさんが答えた。
ポリポリと頬を掻くおじさんの胸には、俺とは比べ物にならないほど強調されている物が・・・
「本物?」
「ん?ほんもんだぞ。引っ張っても取れなかった」
俺はおじさんの胸を確かめるように揉んでみた。
マジ!柔らかいです!
俺のとは全然違う感触・・・
ヒロインの王道巨乳ですよ。
腕組んじゃったら、胸が強調されるパターンですよ。
心なしかおじさんの頬もふっくらと丸みを帯びたような。
太ったとかじゃなくて女性的な丸みとでも言いましょうか・・・
「おじさんも女の子になっちゃったの?」
「おう!ボインボインの女の子だぞ!」
自分で胸を掴み寄せて上げるのはやめてください。
元の姿を知ってるので視覚の凶器です。
何故、こんなに明るく笑っていられるんでしょう?
「なんでそんなにポジティブなんですか!?もう戻れないかも知れないんですよ。俺のジュニアだってなくなちゃうし、女性の器官だってできちゃうし。この先も女として生きてかなきゃいけないかも知れないんですよ!」
「ん?なんでそんなに後ろ向きなんだ?」
「なんでって!だから・・・」
「人生男と女両方楽しめるんだぞ!楽しまなきゃ損だろう」
「損とか得とかそういう問題いじゃ」
「一度死んだんだ。二度目の人生楽しもう!それに、おりゃぁ、ボインだから自分で楽しめるしな」
お前も楽しめ。
そう言って頭を撫でられました。
貧乳なんで自分で楽しめません。
悔しいです。
「みぃ~は帰りたいのか?」
「当たり前じゃないですか。男に戻りたいです!」
絶対に離さないとばかりに俺はおじさんの腕を掴んだままソファに並んで腰を下ろしています。
あっ、もちろん邪魔なリョクさんにはどいてもらっています。
今のリョクさんはシャクさんの隣です。
「戻っても女だったらどうする?」
「えっ?」
「それに、帰れたとしても、体が死んでたらだったらどうするんだ?」
「えぇ?」
「運良く生きてたとしても、一生入院しなきゃいけない体になってるとか」
「えぇぇ」
「悪くて、火葬の最中だったりとか」
「うえぇぇぇぇ」
想像するだけで絶望的な気持ちになります。
よく読む小説とかでは、異世界から戻ると事故の前だったとか、3ヶ月行方不明だったとかどちらにしても生きたまま元の世界戻れるのだと思い込んでいました。
そうですよね。
あれは小説であって、現実ではありませんし。
「まぁ、おりゃ、帰らなくてもいいしな」
「この世界で生きてくんですか?」
「ん~、楽しそうじゃん」
「女のままでも?」
「まぁ、成り行きに任せるべ。男に戻れたら戻るし、別に女のままでも今のところ困ったこともないしな」
楽天家なおじさんらしいです。
あれは俺が中学に上がったばかりの冬休みの頃でした。
おじさんの家に遊びに行った俺に唐突に言った。
日本の冬は寒い。暖かい所に行ってくる。
次の日パスポートと必要最低限の荷物を入れたリュック一つ持って機上の人になった。
何度、あの人の親に詰め寄ったことか。
何故、パスポートという危険な物を与えたのか・・・と
楽天家の息子の両親は能天気だった。
頼りがないのは元気な証拠。
事故にあったら、連絡あるでしょう。
もっと心配しましょうよ。
事故にあってからじゃ遅いです。
せめて今いる場所だけでも。
何度気を揉んだことでしょう。
おじさんが旅に出てから二年後。
初めて絵葉書が届きました。
これから日本に戻る。
たった一行のみ。
業務連絡かよ!
帰ってきたおじさんを殴ったとしても俺は何も悪くはありません。
「俺は・・・せめて男に戻りたいです」
多くは望みません。
せめて男のままだったら、と何度考えただろう。
「女の子でも可愛いぞ」
「嬉しくないです」
「ブスよりマシじねぇ?」
ポジティブな思考を持っているおじさんが羨ましいです。
「おじさんの目は信用できません。他の人から見ればブスかも知れないじゃないですか」
「ん~、みぃ~は可愛いよね?」
おじさんが俺たちの前に腰をかけている二人に質問しました。
あっ、いたんですね。
っていうかすっかり存在を忘れていまいました。
「一海ちゃんは可愛いよ~。目元の黒子とか色っぽいし。本当はおっきのが好きだけど、片手でも余るくらい胸が小さくても形がいいからきにしないよ。」
「可愛いか可愛くないかの二択だったら可愛いんじゃないかな?線が細いから胸が小さくても仕方ないし」
何故二人共貧乳について述べる必要がある。
可愛いに、貧乳は関係ないだろうが。
そこは容姿について答えるのが本当じゃないのか?
「だって。良かったな」
「嬉しくないです」
「え~~~」
「貧乳貧乳って強調されて嬉しい訳ないじゃないですか!?」
「気にしてんのか?女になんのが嫌だったら、胸の大きさは小さいほうが男に近いぞ」
「プライドの問題です!大きいほうがいいんです!巨乳が好きなんです!」
「そういうもんか?」
腕を組んで考えるのをやめてください。
胸の下で腕を組んでいるので、胸が持ち上げられて更に大きくなってます。
喧嘩売ってるのでしょうか?
ムカついたので、主張している胸をもんでみました。
「ちょっと、なんですか?この胸!メチャメチャ気持ちいいじゃないですか」
「みぃ~やめろって」
「やめません」
程よい弾力にマシュマロのような柔らかさ。
気持ちよすぎます。
リアル巨乳を揉んでいます。
これなら一生に一度はやってみたい、男のロマンが体験できるかもしれない。
憧れのぱふぱふ体験です。
おじさんならきっと許してくれるし。
大きいから服の上からでも全然大丈夫。
両頬に感じる弾力ある感触と温もり。
気持い。
「「いいな~~」」
おじさんでも自分でもない声が聞こえました。
そちらの方に視線を向けると、物欲しそうな雰囲気を醸し出してます。
「おっ、お前らもするか?」
「えっ、いい「ダメです!」の?」
歓喜の声をあげる二人を遮ります。
何、両手を上げて喜んでるんですか?
ダメに決まってるじゃないですか。
この胸は俺の物です。
百年早いですよ。
「ん~でも、シャクくんはもう揉んだぞ」
「なんだって~~~!」
いまおじさんの口から得た人物を睨みつけます。
指を咥えて見ていた、シャクさんが真っ青になりました。
「ちょっ、ちょっと待って。あれは作業であって、エロい意味合いは」
「なかったんですか?」
「ないです!全然ないです!緊張していて感触なんて覚えてません」
「そうですか、ならいいんです。・・・気持ちよかったですか?」
「もう、ふわふわで気持ちよかったです!」
「感じてんじゃんかこのやろ~~~!」
「うわ~~~~」
逃げるシャクさんを追いかけます。
そんな俺たちをみながら、残された二人は優雅に飲み物に口をつけています。
「平和だね」
「っていうか、この騒ぎ起こしたの君だから」




