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その配信に命を懸けろ~【悲報】TS転生したワイ、借金のカタに売られた極道の元で美少女VTuberをすることになってしまう~  作者: 真嶋 青
第一章

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第8話 極東ミネネが来たぞ!②

 テンションをぶち上げ続けるのも疲れるもんだ。

 配信が始まってから10時間が経過した。


 喋り続けて喉がカラカラだぁ……。


 初めの 1時間は自己紹介とPR活動。

 その後、 2時間近く雑談を交えつつ視聴者からの質問に片っ端から回答していった。

 ある程度の質問に回答したところで、視聴者が飽き始めているのを悟った私は配信内容をガラリと変更。

 そこから 7時間、――ひたすら麻雀をしている。

 

「だっしゃああああ! まさかまさかの海底撈月! ドラも乗ってるぅ!」


 視聴者を呼んで参加型の麻雀配信。

 深夜帯から朝方までの間、私は何度もメンバーを入れ替えて対戦をしていた。

 遅い時間帯なだけあって、麻雀を嗜む年齢層の人間がそこそこ多いらしい。

 メンバーを募集すれば一瞬で三人集まる。


 コメント欄:

 『海底wwww』

 『流石に豪運がすぎるw』

 『良い配信者すぎる!』

 『しっかりと見せ場を作っていく』

 『これで三連続首位じゃん。流石に強すぎる!』

 ………………………………


 全勝というわけにはいかないが、私は平均的に高い順位を取ることができている。

 視聴者たちはゲームのルールを知っている程度で、麻雀における定石というものを知らないようだ。

 お蔭で、ここまでボロ負けするような展開は無かった。

 

 正直 2時間も麻雀をすれば、また視聴者が飽き始めると思っていたのだけれど、何故か人数は増え続けている。

 更に、昨夜寝てしまった視聴者も起き始めて、ちらほらと私の配信に戻って来ているのがコメントで分かった。


 コメント欄:

 『おはよー! マジでずっとやってる⁉』

 『まだやってんのかよw』

 『本気で 100時間を目指しているのか?』

 『そういえば、もう初配信始まって10時間経ったんかw』

 『麻雀面白くて朝まで見続けてた……』

 『どこまで行くのか知らんけど、最後まで付いていくぞ』

 ………………………………

 


 現在の視聴者数は2000人、チャンネル登録者数は 1000人を超えていた。

 何が当たるか分かったものではない……。

 

 しかし、麻雀が視聴者にウケるのもここまでだろう。

 おそらく夜通し麻雀を楽しんでくれた視聴者たちはそろそろ眠りにつく。そして、麻雀配信を見ていなかった視聴者たちが入れ替わりでやってくる。

 要するに、配信内容のニーズが丸っと変わってしまうはずなのだ。


 別のトピックに切り替えるなら今――。

 

「ふい~! ちょっとキリも良いし、休憩というか飯を食ってもいいか? 正直喉も乾いてて、喋るのが大変なんだわ」


 私の言葉を聞いて、配信が一度止まってしまうと解釈した視聴者たちからは残念がるコメントが多数届いていた。

 もちろん、配信を止めるなんて勿体ないことはしない。

 今の良い流れを途切れさせるわけにはいかないのだ。


「ああ、もちろん飯を食べながら配信はするぞ。咀嚼音が入ったらスマン」


 視聴者たちは食事中も私が配信をすると聞いて大盛り上がりだった。

 私はその反応を見て、自分の選択が正しかったことを実感する。

 

 食事を用意してもらおうと待機室の方を見ると、田村だけが残っていた。やはり下っ端のアイツが一番働き者らしい。

 今頃、矢崎と葛西は何処かで優雅に寝ているに違いない。

 

 許せねぇよアイツら……こっちはあと90時間も横になれないって言うのに…………。

 

 そんなことを思いつつ、私は田村へ食事を用意するよう指示を出す。

 私が決まったハンドサインを出したら、配信室に食事を持ち込むことになっている。

 頷いた田村は静かに配信室に入ると弁当とペットボトル数本を置いていった。


「やっと飯にありつける~。ぶっちゃけ二時間くらい前から空腹でヤバかった! あの時間って何で腹減るんだろうな?」


 人が起き始めた今の時間帯は、ラジオ的な感覚で私の話を聞いてもらう配信スタイルの方がウケは良いはず。

 私に合わせてご飯を食べながら配信を見てくれるような人も居るかもしれない。


「皆の朝ごはんは何にするんだ? あ、ちなみに私は焼き鮭と白米」


 そんなくだらない雑談と共に、朝の時間は過ぎてゆく。



 配信開始から20時間。

 遂に私が初期段階で蒔いていた種が芽吹いてくれた。

 視聴者が投稿した極東ミネネの切り抜き動画の 1つがSNSで大バズりしたらしい。

 SNSのトレンド上では見事に『極東ミネネ』の文字が確認できる。

 

「よーしよしっ! 開始から20時間にして遂にトレンド入りだぁ! 皆マジでありがとう!」

 

 コメント欄:

 『おめでとう!』

 『おめっ!』

 『これだけ騒ぎ倒してれば話題にもなる笑』

 『極東は間違いなく大物』

 『おめでとうございます姉御!』

 『もう終わりでもよくない?』

 ………………………………


「『終わりでも良くない?』じゃねぇよ! 配信は何が何でも 100時間強行するぞ、今更何言ってんだ⁉ しっかり付いて来い!」


 正直私だってもう配信切って寝てぇよ!

 でもまだまだ全然時間余ってるんだよ!

 っていうか、目標値が遠すぎる!


 今のチャンネル登録者数は3000人。目標の30分の 1以下だ。

 たった一日足らずで3000人の登録者を獲得したと考えれば、たぶん一般的には上々な成果なのだろう。

 でも、私には全く意味のない数字だ。

 10万人か、それ以下か。そこには隔絶された差がある。


 だから、まだ終われない!


 コメント欄:

 『あっ、はい……』

 『お前が何言ってんだ』

 『流石に不眠は無理っす姐さん』

 『イカれてる笑』

 『現時点で既に頭おかしい配信時間』

 『草』

 ………………………………


 ちなみに、ここまでの配信内容は多岐にわたったが、一番視聴者数が跳ねたのは短めのホラーゲーム配信。

 幽霊から襲われる度にキレ散らかして大騒ぎしていたら好評だった。

  2時間でクリアできたけど、体力的にはその倍以上の時間配信するよりも断然疲れちまった。

 もうやらん。


「それにしても、開始当初は1000人だった視聴者も気づけば 4倍だな……。そろそろ改めて自己紹介した方が良かったりするか? たぶん昨日の配信を見てない連中が大半だよな?」


 現在の視聴者数は4000人まで膨れ上がった。

 SNS上でバズった効果が大きいだろう。

 この数字を更に育てれば、登録者10万人も射程圏内のはずだ。

 口で言うほど簡単ではないが、なんとかモノにして見せる。

 

 コメント欄:

 『切り抜きで見たからいいかな』

 『自己紹介より質問コーナーをまたやって欲しい!』

 『麻雀はもうやらんの?』

 『自己紹介、生で聴きたいな』

 『 1日で視聴者数 4倍にしたって凄い!』

 『自己紹介して欲しい!』

 ………………………………


 各々好き勝手言うから、話が滅茶苦茶だ。

 人数が増えるとこういうことになるのか……。

 慣れていないのもあってコメントを拾い上げるだけでも一苦労する。


「おいおい、すげー勢いでコメントが流れるから読み切れねぇな。投票機能を使ってみるか」


 ・自己紹介をやり直す

 ・さっさと次の企画にすすむ


 表示された二択を視聴者側に選んでもらって、人数の多い方を採用する。

 結果は自己紹介のやり直し。


「よーし、そんじゃあ、次の企画を見たかった連中には悪いけど一旦自己紹介のターンに入るぞ」


 それにしても、投票機能……。


 なんか、遊べそうじゃね?

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