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その配信に命を懸けろ~【悲報】TS転生したワイ、借金のカタに売られた極道の元で美少女VTuberをすることになってしまう~  作者: 真嶋 青
第二章

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第25話 新たな目標

 悩みの正体を暴くことはできた。

 これで一歩前進なのだが……。


「参ったな、目標って言われても思いつかねぇや」


 まぁ、それでも今までやってこれていたわけだけど。

 だからと言って、今後も自分の芯がないまま活動をしていれば、いつかガタが来るのは目に見えてる。


「お前、何かやりたいことはないのかよ」


 葛西から素朴な疑問を投げかけられてしまった。

 

 私が配信者としてやりたいこと……何も思いつかないな。

 そもそも、私はなりたくて今の配信業を始めたわけでもない。

 その場のノリで流されて今に至る。


 それでも敢えて何がしたいのかと問われるならば――。


「強いて言えば、借金を返済したいな」

「夢の無いガキだな……」


 誰のせいだよ!

 

 ……いや、コイツ等のせいでもないか。


「そういや私の両親ってどうなったんすか?」


 ふと、自分にも両親なる存在が少し前まで()()、戸籍上では存在していたことを思い出した。

 私にとって、あれが事実上の親であったかは未だに謎だ。

 

「気になるのか?」

「世間話程度には」

「……ま、お前にとっちゃそんなもんだろうな」


 葛西は少し考える素振りをしてから一言だけ。


「金は回収中だ」

「へー。じゃあ、そっちからも借金は減ってる訳か」

 

 マジで解体してバラ売りされちまったのかは知らないが、少なくとも捕まえて金を回収できてはいるらしい。

 そうなると気になることがある。


「残りの借金て幾らくらいなんですか?」


 数値によっては私の明確なモチベーションの 1つになる。

 その金額を一先ず稼げれば私の命の危険も無くなるわけだし……。

 まぁ、今の収入があったらそれなりのスピードで返済できるだろ。


 そんな平和ボケした皮算用をしていれば、矢崎がニヤリと笑って指を 2本立てる。


「ああ、2,000万か……。それならまだ――」

「あ? 何言ってんだハズレ? ゼロが足りねぇよ」

「……はい?」

「 2億だ」


 ――――なんと仰いましたかこの老骨?


「 2億ってなんだっけ?」

「人間の平均生涯年収ぐらいの金だな」


 ああそうそう、それだ。


「え? 私の今の収入っていくら?」

「今のペースのまま上手くいけば年収3000万ってとこか? ちなみにウチの年利は15パーセントだから、これだと一生返済できねぇな」

「……もしかして、私の事を一生飼殺す気だな?」

「そうだが?」

「ざけんなよテメ゛ェェェエエエエ‼」

「ダッハッハッハッハ!」

 

 あっぶねぇえええええ! なんで気を抜いてたんだ私は⁈

 なーんも状況が好転してないわ!

 何が登録者55万人だボケ!

 中間目標を達成したところで、私の人生は依然として詰んでますわ‼


 VTuberをする目標が見つからない? 平和ボケも大概にしとけ!

 死ぬ気で金を稼がんと私の人生は借金地獄のまま終わるぞ!

 

「ちくしょ~‼ どうすりゃいいんだよマジで! ちょっと前まで現実を知らずにフワフワしてた自分を殴りてぇ‼」

「まぁ、デケェ山を当てるしかねぇよなぁ?」

「あぁ⁈ 宝くじでも買えってのか⁇」

「ハッ……やれやれ、ようやく気合入ったか。んじゃ、そのデケェ山の話をしようぜハズレェ。こっちはそれを伝えたくて呼び出したんだからよぉ」


 そう言う矢崎の顔は見たこともない程にギラついている。

 どうやら、新たな目標は相当な山場になりそうだ。


「さて、ハズレ。お前はVTuberが稼ぐ方法と言ったら何を思いつく?」


 突然の問答が始まる。


「オイ爺ぃ、こっちは1秒でも早く銭を稼ぎてぇんだよ。下らねぇ前置きはいいから結論から言えよ」

「ったく……急にスイッチ入れてきやがって…………。ハズレ、お前に大手事務所のVTuberからコラボオファーが来てる」

「あ? それが金になるのか?」


 一緒に配信する程度で金が貰えるとは思えない。

 まさか相手のファンを引っ張って登録者を上げるとかしょっぱい話をするんじゃねぇだろうな?


「お前はそこで登録者を可能な限り伸ばせ」

「オイオイ、何がデケェ山だよ。ただのコラボ配信じゃねぇか」

「話を最後まで聞けっての……お前に、トークライブの誘いが来てるんだよ。そのVTuberのイベントで、ゲストとして出て欲しいってな」

「あ?」

「トークライブはオンライン開催で、ゲストへの報酬は利益の 1割。人の入りが良ければプラスでインセンティブが付くらしい」


 おいおい、なんだよそれ……めっちゃ美味しいじゃねぇか…………。

 しかし、なるほど。ライブイベントか。

 

「で、やる気は出たか?」

「ああ、バリバリにな。そうなると、登録者を増やすってのは、私の登録者以上に――」

「そう、相手方の登録者を増やして、イベントの客入りを増やせ。そうすればお前への報酬額も自ずと上がる」


 いったいどういう経緯でその話が転がり込んできたのかは分からない。

 だが、ちまちま配信をして広告費で稼ぐよりもコスパが高い仕事であることは間違いない。

 しかも爺の話を信じるなら相手は大手。かなり信頼度の高い商売になる。


「日程は?」

「初コラボは来週の土曜日。トークイベントは来月だ。トークイベントまでに、お前と相手方のコラボ配信は数回予定されている。反響によってコラボ回数は増減するらしい」

「随分と急な話だな……てか、私に3Dモデルなんて無いけど、イベントはどうするんだ?」

「ゲストは立ち絵があれば良いとさ……まぁ、3Dが必要になったらお前は最悪生身で出ろ。あと、イベントに必要な経費諸々も全て相手が持ってくれるらしい」

「おい、なんか急に不安になってきたぞ? 信じて良いのかそれ?」

「俺もお前と同じことを思ったんだが、どうにもお前を呼びたい演者ってのが極東ミネネの強烈なファンらしくてなぁ。どうしてもって話らしい」

「ほーん、その奇特な演者の名前は?」

「坂神リリア。泥ライブの一期生だ」


 どうやら矢崎の言葉通り、知らぬ間にとんでもない山場を迎えてしまったらしい。


「それ、最大手事務所のエースじゃねぇか……」

「しっかり稼いで、ついでに爪痕を残して来いよ」


 唐突なボスキャラの登場。

 泥ライブの坂神リリアと言ったら、登録者200万人を超えるバケモノだ。

 

 何が相手の登録者を伸ばせだクソ爺。

 もうとっくに伸びきってるじゃねぇか……。


 新たな課題も、一筋縄ではいかないらしい。

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