首刈り事件 2
今朝、オレは白石警部からのモーニングコールで目覚めた。JR新宿駅南口に磔死体が発見されたという連絡により現在、JR新宿駅へと疾走している最中だ。前回の学習から南口と道路を挟んだ新南口一帯は警戒区域となって捜査員たちが血眼になって捜しているが犯人も被害者の生首も発見できていないらしい。
オレはJR新宿駅南口の磔現場に到着して確信した。新南口ではない。
天地光闇風雷火水土⋯⋯。
風!
「風神さまのお通りだ!」
「疾風脚!」
オレはそう叫ぶと、オレの身体はフワリと浮き上がって甲州街道と新南口を飛び越えて新宿高島屋方面へと跳んでいく。
「白光眼!」
オレは新宿高島屋に照準を定めて生首を探す。
あった!
伊蔵⋯⋯?
そこには、忘れるはずもない『首刈り伊蔵』の姿があった。
オレは新宿高島屋の屋上に舞い降りて伊蔵のいたフロアへと向かった。向かったはずなのだがそのフロアにはJR新宿駅よりには窓がなく、オレは上へ下へと駆け回った。結果、伊蔵を取り逃がしてしまうという失態を演じてしまった。
「申し訳ござらん。見つけておきながら逃げられてしまうとは⋯⋯」
「いや、伊蔵というのがわかっただけでも十分だ。顔が一緒が不思議だって? 整形でもして元の顔にしたんじゃないのか。サスケが転生したんだ。他の忍者も転生していても不思議じゃないだろ。それに窓がないのは例のラブホテルと一緒のトリックということも視野に入れている。まあ、気を落とすな」
白石警部はそう言ってオレの肩を叩いた。




