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3話
しばらくすると、『国語辞典』と『日本史』という書物がオレのもとに届いた。忍者というと戦闘向きの脳筋というイメージがあるが実はインテリでもある。そりゃ、そうだろう。少なくても読み書きができなければ指令書も読めないし報告書も書けない。いちいちアジトに戻って指示を聞いたり報告してたら時間の無駄だし、潜入任務にしても読み書きができなゃ何が書いてあるかすらわからない。内容についても精通していないとどうにもならない。
どうやら今は2026年5月、場所は東京都新宿区というところらしい。スマホというものにそう書いてある。しかし、このスマホというもの、頻繁に振動を起こすし、何か点滅している。なんだろう。
そして、この男の名は佐伯隆。24歳。ベットに付けてあるネームプレートというものにそう書いてある。
まだ『日本史』までは読んでいない。『国語辞典』を読み終えたので『日本史』の方も読む時間があるのだが、なんだろう。怖いのだ。あの後どうなったのかを知るのが⋯⋯。