1.タオル
可愛らしいお話になってます。
日常のほっこりほのぼのするような、そして学びの物語です。
ぜひほっこりほのぼのしてください!
新米おかあさんとまおくんの奮闘記
毎日大好き!
ー1.タオル
おかあしゃん、まおたんのタオルはぁ?
小さいまおくんは、洗濯物を取り込み座って畳み始めた母の背中に飛びつきそう話しかけた。
乾きましたよー。ほら、まおくんのタオル。
母は洗濯物の山の中からまおくんお気に入りの白い、ハンカチよりも少し大きめのタオルを取り出した。
フワフワでお買い物に行った時、まおくんが一目惚れして買ってあげたものだ。タオルの隅には可愛いパンダさんのイラストがプリントされていた。
あれえ?
ん?
母はそのタオルを触ると最初のフワフワ感が消えてるのがわかった。
まおくんもそのタオルを触ってみた。
おかあしゃん、タオルフワフワちがうよー
ほんとねえ、洗濯失敗しちゃったなあ
あーん
あらあ、どうしよう
おかあさんは困ってシクシクと泣いているまおくんを抱きしめました。
こんにちは。ももかさん、まおくんおばあちゃん来たよー
玄関からおばあちゃんの声が聞こえるとまおくんは走ってお迎えしにいきました。
おばあちゃ、こんにちは。ひっくひっく。
祖母はまおくんが泣きながらご挨拶してる姿を可愛らしく思うも側によって抱きしめながら聞きました。
あらあら、まおさんはメソメソさんだな。どうしたの?
お母さんもやってきて祖母に言いました。
実はまおくんの大事なタオルゴワゴワになっちゃって。
あら。よく広げてパタパタしなかったのね。
よく広げてパタパタしなかったのね。
おばあちゃんがにっこり笑って、まおくんの大好きなタオルを手に取りました。
まおくんは涙をぬぐいながら、おばあちゃんをじっと見つめます。
パタパタ?
そうよ、タオルは洗ったあとに、こうして空気をいっぱい含ませると、またフワフワになるの。
おばあちゃんはまおくんの目の前で、タオルをしっかりと広げ、両端を持って軽く叩くようにパタパタしました。タオルがふんわりと風に揺れるたび、まおくんの顔には少しずつ笑顔が戻ってきました。
ほら、やってごらんまおくん。
おばあちゃんがタオルをまおくんに差し出します。まおくんはまだ少し鼻をすすりながら、そっとタオルを握りしめました。小さな手で、ぎこちなくパタパタと叩くと……
わー!フワフワだぁ!
タオルが少し柔らかくなったのを感じて、まおくんは大喜び!今度はもっと力を込めてパタパタします。
よし、いいぞまおくん!
お母さんもにっこり。まおくんが笑顔を取り戻してくれてホッと一安心です。おばあちゃんも優しく見守ります。
タオルさん、元気になったねー!
まおくんはタオルを抱きしめながら、お母さんとおばあちゃんににっこり笑顔を向けました。おばあちゃんはふふっと笑い、優しく頭をなでて言います。
まおさんは、これからパタパタ名人だね。
まおくんはお母さんに近づきぎゅっと抱きしめました。
お母しゃん、まおくんもこれから一緒にお洗濯手伝うね。
まおくんはお母さんの顔を見上げながら笑顔で答えた。
おばあちゃんはその光景を見てニコニコと朗らかに笑っていました。
春の風が縁側にいる3人を包み、暖かい雰囲気になりました。
おわり。