双子の竜①
なかなか投稿できず!
春先はいろいろやる事が多くて大変ですよね(;'∀')
ベンゼンティア国王太子の寵妃の襲撃から1年が経った。
父親である王太子ヨシュアに最後に会ったのは半年前。幾分か痩せた父はテオドールを抱きしめ、
絞り出すような声で言った。
『・・・これから、お前の耳には王族の話が良きも悪しきも伝わり入るだろう。しかし、忘れないで
ほしい。 私の唯一はフィリアであり、その子テオドールだけだという事を・・・。』
――父上。
『・・・私は、ベンゼンティアを許さない。私から唯一を奪ったこの国を呪うだろう』
――わかりました。あなたは、どこまでも母と僕だけなのですね。
『そのとおりだ。――許せ』
――いいえ、僕にもわかる気がするんです。だから、父上の思うままになされるとよいでしょう。
「テオ!!!」
「ぐえっ・・・」
どすん、と胸の上に衝撃を感じて呻く。 思わず何か吐き出しそうになって堪える。胸の上に跨って
覗き込む真ん丸な金と薄紫の瞳。金の瞳には特徴的な縦のスリットが入っていて、どちらかと言うと
猫っぽく見える。瑠璃色の髪の少女はテオドールのアッシュゴールドの前髪を手でちょいちょいっと
はらう仕草を繰り返す。
「・・・痛いよ、ライラ。」
「起きてほしいんだもん」
むくりとテオドールが起き上がり、その弾みでライラが背中からころんとベッドに転がる。
胸をさすりながらテオドールはライラひょいっと抱き起した。
「勝手に男の部屋に入ってきたらダメだろう? ――いつきたの?ひとり?」
明け方にひょっこりアイルノルト城に遊びに来ることはしょっちゅうだが今日は早すぎる。まだ陽も
登っていないので暗い。こんな中ひとりできたなんて事はないよな、とライラを見る。
<俺もきた!>
ぴょんっとベッドに飛び乗ってライラの隣に座る一匹の、魔獣? いや、真っ黒い竜。
大きさはライラより少し大きめのちびドラゴン。黒竜、というより瑠璃色の竜はあの襲撃事件のあと
すぐにアイルノルト城に来ていた。
ライラとちびドラゴンはいつもセットで行動しているようで、テオドールに襲い掛かった暗殺者を
ライラが吹き飛ばした後、ちびドラゴンが気絶した暗殺者を遠くへ捨てに行ったようだ。
遅れてアイルノルト城に到着したちびドラゴンを見てテオドールも騎士ザックも辺境伯ダスティンも
顎が外れそうな程、驚いた。
この子たちはヴェルドラク公国公王の双子の子供たちだ。
「あそぼ!テオ!」
<ねすぎだぞ、テオ。あそびにいこうぜ>
「あのさ、ライラ、カイン。まだ陽も登ってないよ。早すぎる!」
ブーブーいう一人と一匹に頭を抱えて諭すがあまり聞いてもらえない。またカインの背に乗ってアイルノルト城にきたんだろうか?
カインの羽だってまだ小さいから長距離はダメと公王に言われたと聞いたが。
「カインにのってきた」
嬉しそうに話すライラにテオドールは着替えをしながらため息をつく。きっと朝食もとってないんだろうな、となんとなく考えながら着替えを終え、廊下にでるライラはまたカインに跨って移動している。
カインは飛ばずにライラを乗せたままちょこちょこと歩いている。
「カインは重くないの? 疲れたりしない?」
<ライラはいい。つかれない>
「カインとライラはなかよしふたごなの」
<なかよしふたごなんだ>
二人はふふん、と胸を張って言う。
<もっとおおきくなったらテオもいいぞ。ライラのつがいだからな>
テオドールはええっ!?と目を瞬く。
今、なんて言ったの?
「つ、番??」
<いいにおいはつがいのにおいだ!>
「ぱぱがいってた~!」<ぱぱが言った!>
う、うそだろう!? そりゃ、初めて会った時からすごく懐かれているなとは思っていたが。
ドラゴンってこんな小さいうちから番ってわかるのか? まだ対して人と会ってもいないだろうに。
鼻歌を歌いながら前方を進むライラとカインを見ながら信じられないと呟いた。
――てか、パパって公王? 公王様、パパって呼ばれてるんだ・・・。
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