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テオドールの記憶③

残虐な表現があります。

気分を害する方はスルーしてください。

母の死を看取ってすぐにアイルノルト辺境にある樹海に駆け込んだ。

辺境伯城下は魔の森付近に広がる樹海の入り口にあり、襲撃から逃れるには樹海に入ってしまった方がいいと母が言ったから。


 この森は深く、魔物や魔獣が湧き出てくる瘴気の濃い森だ。『魔の森』に接するアイルノルト辺境地では辺境騎士団が日に三度の巡回をする。

魔獣との遭遇も危険だが、もしかしたら辺境騎士団の巡回の騎士に保護してもらえるかもしれない。その運に賭けてテオドールは魔の森に走りこんだ。


 背後から金属音と共に怒号が飛び交い、人が乱れる音がする。母の名を叫び、指示を飛ばす者がいる。辺境騎士団だ、とテオドールは理解すると同時にもっと早く来てくれたらと唇を噛む。


 昏い森は人間を拒む。逃げたテオドールを追って襲撃者たちも樹海に足を踏み入れる。

母に襲い掛かってきた別の暗殺者たちはアイルノルトの騎士に叩き切られて断末魔を上げている。


 テオドールを追ってきた数人の暗殺者は樹海に入ったと同時に忙しなく周囲に目を走らせる。

樹海に立ち込める瘴気に()てられ精神崩壊を起こすものもいる。それよりも不穏なのは“何か”の気配が常にある事。


 不思議とテオドールは正気を保っていられるが追手の暗殺者たちは違った。

中には大丈夫な者もいる。個体レベルが高いものは精神が安定し魔の森に入っても惑わされないと母が言っていた。

 アイルノルトの血を引く者は個体レベルが非常に高く、そのまま戦闘レベルも高い。魔物退治でも5,6人でチームを組んで討伐に向かうらしい。一般的に魔物退治には王国だと中隊は派遣されないと厳しいのだとか。


 追手のほとんどが半狂乱になりだした頃、個体レベルの比較的高い暗殺者がテオドールを捕まえた。狂った仲間をうまく気絶させテオドールのアッシュゴールドの髪を鷲掴みにして引き寄せる。

ブチブチと髪が切れる音がして苦痛に顔を顰めながら掴む相手を仰ぎ見た、醜悪に笑う顔を見た、--刹那。



眼が。



痛い!!!!!!

熱い。熱い熱い熱い熱いあついあつい!!



 暗殺者は脳天からテオドールを短剣で貫通させて殺そうとした。

だが、瞬時に身を引いたテオドールの頭部を逸れ、振り仰いだ左眼を抉っていたのだ。左眼を両手で強く抑えながら声にならない叫びをあげて蹲る。尋常じゃない痛みに脳が焼き切れそうになる。

暴れた拍子に男の手が離れ、背中を打って倒れる。


「くそっ、この・・・!」


蹲る背中を踏みつけられる、ひゅっと呼吸が一瞬止まった。暗殺者が振りかぶり、今度こそ剣で貫かれようとしている。来る衝撃にテオドールは目をギュッと閉じた。 ――死ぬ。


最後までお読みくださりありがとうございます。

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