表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【リメイク版】推しのために三千時間を費やしたら意識を失ってしまい気がつくと乙女ゲームの中に入っていたのだが、悪役令嬢に転生してしまったので死亡フラグを回避しながら推しキャラ攻略を目指す

作者: 夜炎 伯空

「グヒヒ、ランクロード王子、今日も最高!!」


 乙女ゲームの推しキャラ、ランクロード王子と会話をしながら、私はニヤニヤが止まらなかった。

 ランクロード王子のための総プレイ時間は既に三千時間を超えている。


 お父さん、お母さん、私は今日もランクロード王子と楽しく幸せな日々を送っております。

 私を生んでくれてありがとう!! 


「でも、さすがに、そろそろ限界かも」


 金曜日の夜から日曜日の昼まで不眠不休でランクロード王子と時間を過ごしていたので、想いとは裏腹に身体は限界を迎えようとしていた。


「く、くそ。私は寝たくないのに、身体が言うことを、き、きかない……」


 ランクロード王子が映っているスマホを抱きしめながら、いつの間にか私は深い眠りについていた。


 ◇


「大丈夫ですか?」


 あれ、誰かが私に声をかけてくれてる?

 

 アパートで一人暮らしをしているので、私に声をかけてくれる人なんていないはずなのに。

 それに、この声どこかで聞いたことが。


「ランクロード様?!」


「あ、目覚めたようですね。よかった」


 愛しのランクロード様のお顔が目の前に!!


「ど、ど、ど、どうして、ランクロード様が目の前にいらっしゃるんですか!?」


 もしかして、スマホゲームのし過ぎで、乙女ゲームの中に入ってしまったとか?


「少し混乱しているようですね。私のパートナーとしてパーティに参加していたのですが、体調が優れない様子でしたので、しばらくベッドで休息されていたんですよ」


 ランクロード王子のパートナーということは、もしかして私、ヒロインのミリアスに転生したの?

 だったら、なんてラッキーな。


 乙女ゲームの神様!!

 ありがとうございます!


「ふふ、元気になられたようですね。シヴィリア」


「はい、ランクロード王子。って、シヴィリア?!」


「どうかしましたか?」


「私の名前はシヴィリアなんですか?」


「これは、相当、気が動転してしまっているようですね。ご自分の名前も思い出せないなんて」


 ぐはっ!


 私、ヒロインのミリアスじゃなくて、そのヒロインを苦しめていた悪役令嬢の方に転生しちゃったの!?


「ランクロード王子、シヴィリア様は大丈夫でしたか?」


 あ、ヒロインのミリアスがキターーーーーーーーー!!


「ミリアス、心配して見に来てくれたんだね」


 やっぱり、この二人のカップリングは最高だわ。

 

 ゲーム画面でしか見られなかった二人の会話を目の前で見ることができて、思わず鼻血が出そうになる。

 

 ランクロード様のことは当然大好きなのだが、ミリアスとしてずっとプレイをしてきたので、ミリアスのことも大好きなのだ。


 それなのに、どうしてだろう。

 何故か、心がモヤモヤする。


 これはまずい。

 この思いは、きっとシヴィリアのランクロード王子への思いが、そうさせているのよね。


 このままだと、きっと、私はミリアスのことを邪魔する悪役令嬢となって、死の運命を辿ることになってしまう。

 それだけは何としても避けなくては。


 でも、もし死亡フラグを回避できるのなら。


 大好きだったランクロード王子とも結ばれたいなぁ。


 ◇


「どうして、シヴィリアは私のことをそんなに愛してくれるのですか?」


 死亡フラグを回避するため、必死にミリアスに善行をつくしていたら、いつの間にかミリアスだけでなく、ランクロード王子も私に好意を寄せてくれるようになっていた。


「ど、どうしてって」


 それは、あなたのために三千時間を費やしたから。

 その想いは、好きという気持ちを通り越して愛に変わっていた。


「私、後ろ向きな性格で、なかなか気持ちが前向きになれなかったんです。でも、ランクロード王子に出逢って、ランクロード王子から私が聞きたい言葉をたくさん言ってもらえて、気がついたら前向きな気持ちで過ごせるようになっていました」


「そ、そんな真っ直ぐに気持ちをぶつけられると、なんだか照れますね」


 ランクロード王子の生照れいただきましたーーーーー!!


 いかん、いかん、今は真面目な話を。


「とにかく、ランクロード王子の全てが好きなんです」


「……そうですか、でしたら、これを受け取ってもらえますか?」


「え、これって!?」


 ランクロード王子が取り出したのは婚約指輪の入った箱だった。


「そ、そんな、私なんかが、こ、こんな物もらえません」


 混乱してしまって、上手くしゃべれない。


「い、いやでしたか……」


 ランクロード王子が寂しそうな表情をしている。


「い、いえ、そんな、嫌なわけありません」


「それとも、好きな気持ちと結婚は別なのですか?」


「別ではありません!! もう、大好きなので、もちろん結婚したいに決まっています!! あっ……」


「フフ、ありがとうございます」


 ランクロード王子は笑顔でそう言った。


 ……はめられたような気がするのは気のせいだろうか。


 私が観念した様子を見せると、ランクロード王子は地面に片膝をついた。

 

 そして、ランクロード王子は私の目をじっと見つめて、


「シヴィリアのことを心から愛してしまいました。どうか私と結婚してください」


 と私にプロポーズをした。


 私はあまりの嬉しさに顔がにやけそうになったが、必死に堪えて、


「はい、喜んで」


 と、そう返事をした。


 こうして、何故かヒロインではなく悪役令嬢に転生してしまった私が、死亡フラグを回避して推しキャラと結婚するという幸せな異世界生活が始まった。

最後まで読んでいただきありがとうございます!!


評価が多いと続きを書きたくなる気持ちになりやすいので、もし続きを書いて欲しいと思った方がいましたら、画面下の「☆☆☆☆☆」から評価をよろしくお願いします。

もちろんブックマークも嬉しいです!


『悪役にされた天然系の令嬢は王都を追放された後も心優しい伯爵の息子達から愛されました』


というタイトルで連載小説を書き始めましたので、興味のある方は、そちらも読んでいただけると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ