とりあえず自己改造から始めます
とりあえずまずは痩せよう
さて、ミレイユ・モニク・マルセルとして生きていくことになった私がまず取り組むこと。それはずはり自己改造です!
痩せればあの天の国でのミレイユ様のように美しくなれる身体なのですから、もとに戻さなければ勿体無いです!
ということで、とりあえず妹のマノン様…これからはマノンと呼びましょうか。マノンから毒が盛られているであろう食事には手を付けず、厨房の方から生で食べられる野菜を頂きそれだけを食べます。おかげで我儘な上に偏食家になったと屋敷での評判はかなり落ちましたが我が身の方が可愛いからいいです。
これで毒の心配はないので、あとはひたすら運動するのみ。一生懸命に動きます。ひたすら運動します。馬車に一緒に乗っていた侍女のルナさんがドン引きするほど運動します。ただ運動するのでは勿体無いので、運動エネルギーを魔力に変え、魔力を石に蓄える機械を倉庫から出して貰って、その辺の石を綺麗な見た目のものだけ選んで持ってきて魔法石を作ります。
「お嬢様、少し追い込み過ぎでは?紅茶は飲みますか?」
「あ、白湯でいいです」
「さ、白湯ですか…今お持ちしますね」
紅茶にまで毒を仕込まれたらたまらないですからね!
しかし、マノンの作ったミレイユ様の人物像は思いの外浸透しているようです。侍女にすら怯えられるとは…。あのミレイユ様が使用人に何かしたとは思えませんし、そもそも天の愛し子がそんなことをする理由もありませんし…やはり、実の親であるミレイユ様のご両親がマノン様の言葉を鵜呑みにしているのが原因なのでしょうか?
まあ、いずれにせよ評判を立て直すのは自己改造が済んでから。今は出来る事を出来る限りやりましょう。
「お嬢様、白湯ですよ」
「ありがとうございます、このポットには貴女以外触っていませんよね?」
「え?いえ…マノン様が、お嬢様が美味しく白湯を飲めるようにおまじないを掛けたいとのことでしたので、お渡ししましたが」
「おまじない…ですか…」
ほらそういうことする!もう!
「私はこれから自分で飲み物を用意しますね」
「え!?そんなのだめです!それは私の仕事です!」
「なら、私が口を付けるものをほいほいと妹に渡さないでください」
「お嬢様、マノンお嬢様はお嬢様のために!」
「だからなんですか?私に従えないなら、侍女をやめますか?」
「…っ、わかりました」
まあ、評判を落とすことにはなりましたが我が身を守れればおーけーです。
ルナさんが改めて綺麗な白湯を持ってきてくれます。ふう、生き返るー。
肉が落ちれば美人になること確定なので頑張れ!