悪戯に紛れた希望
「リリ……リリは消えないよね……」
「……もちろん。ずっと一緒にいると決めたもの……」
不安そうなユイにそっと頬を触れて、微笑むリリ。強く抱きしめて離さないユイと、見つめあい不安を拭おうとするユイとリリ。その間にモナカの姿が消えていた。ぼう然とするミナモの後ろに、足音もたてずいつの間にか来ていたカグヤに、ミナモが泣きついていた
「アカリちゃん……」
ルカもヒナタに抱かれ動かないアカリの頬に触れて、涙を流している
「ねえ、ヒカリ。アカリちゃん好き?」
ルカ達の様子を見て、スズが明るい声でヒカリに聞いてきた
「もちろん。あなたと似て寝坊ばかりで、不思議で放っておけない優しい子で、みんなに愛されて……。私と会わなければ、素敵な本をたくさん書いていたでしょうね」
ヒカリもスズと一緒に、アカリと見守るルカ達を見るが、すぐ目を背けた
「そうだね。私もアカリちゃん大好きよ。だから、アカリちゃんの願いにも、お手伝いをしたいの」
「でも、アカリの願いは私の……」
「アカリちゃん……起きてよ……」
ヒカリ達が話している傍ら、ルカがアカリの手を握り呟いていると、ルナがずっと隠し持っていた真新しい本が、勝手にルナの前に現れ、ふわりと浮いてルカのもとへと向かっていく
「ルカの本が……!」
少し透け消えかけているその本に、慌てて手を伸ばし本を取ろうとするルナ。だが、一歩届かず本はルカへと進んでいく
「ねえヒカリ。私の得意な魔法って覚えてる?」
ルカが本を追いかけ、本もルカのもとに向かっているのを嬉しそうな表情でスズが見ていると、急にヒカリに問いかけた
「もちろん。時の魔法よ。止めたり時間を戻したり……悪戯してよく怒られていたわね」
スズの質問に、昔を思い出して笑うヒカリ。スズも思い出して、ヒカリと一緒にクスッと笑う
「そうだね。アカリちゃんも同じ、時の魔法が得意だから、今こうして私の力とアカリちゃんの魔力……。そして、無理矢理でも本を書き終えようというヒカリの力が合わさって、全ての本棚と本という存在を消し去ろうとしている……」
「そうよ……私の願い通り……」
と、スズを見ながら話すヒカリ。それを聞いて、うん。とスズが頷くと、ヒカリを抱いて背中を優しく撫でながら、微笑み話しかけた
「でもね、ヒカリ。忘れているよ。私にはあと一つ、得意な魔法があること」




